概要
「足だけ」の幽霊と同棲をはじめた。
女子高校生が列車へ飛び込み自殺をしたらしい。
その噂を聞いた日、僕は足だけの幽霊に出会う。
彼女はたぶん自殺した女子高生の幽霊だ。
その日から僕と足だけの女の子の同居生活が始まった。
(2012.2.5/COMITIA99発行)
その噂を聞いた日、僕は足だけの幽霊に出会う。
彼女はたぶん自殺した女子高生の幽霊だ。
その日から僕と足だけの女の子の同居生活が始まった。
(2012.2.5/COMITIA99発行)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!まるで現代版『白痴』
現代のモラトリアムに懶惰になり、精神的に沈潜していた「僕」は、とある拍子に、線路の遮断機で生きた「足」を手に入れる。唐突な展開で始まるこの物語は、「僕」と「足」が異質ながらも密な交流を持つことによって進行し、次第に退廃的で、かつ淫靡な関係に発展する。何処か方向を間違えながらも、「僕」はその中で精神的に蘇生する。
圧巻なのは終盤なのだが、敢えてぼかして書くと、「面倒臭い」とだけで彼はある計画を放棄し、「いつだって、どこへでも行けるのだから」と半ば自棄になったとも受け取れるような楽観論に飛躍する場面。
ここで思い出さずにはいられないのは、坂口安吾の『白痴』である。白痴の主人公もそのクライマック…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これは誰の物語か?(ネタバレあり)
この主人公、かなり既視感がありました。
自分だけは特別だと思い込み、周りを見下すが誇れるような才能があるわけでなく、物事を自分の都合の良い様に解釈する。
主人公のこういった態度は極端かもしれませんが、少なからず経験がある人はいるのではないでしょうか。
だからこそ、主人公の浅はかさが痛いほど理解できてしまいました。
何者にもなれないから他人を心の中で貶す。
そういった意味では少女は他者を見下す自分が嫌になり、何者かになるために自殺という手段をとったのかもしれません。
主人公とああいった関係になったのは主人公に同じものを感じたから、自分と同じような性癖をもつ人間だったからなのではないかと思いま…続きを読む