概要
戦国に終わりを告げる、関ケ原の戦い……そこに隠された市井の徒の物語
慶長五年(西暦1600年)の関ヶ原、血の臭いと喚声に支配された平原に、一人の男が立っていた。男の名は嘉助。駿河の漁村出身の貧相な身なりをした男だ。嘉助は、徳川方の武将である田中吉政の雑兵として、関ヶ原に参戦していた。嘉助は、十年前に故郷を出奔し、大坂や京で日雇いの仕事をしていたが、大規模な戦闘が行われるという噂を聞き、傭兵としてこの戦いに参加したのであった。死者数千人を数える壮絶な戦いが終結した時、嘉助は十年来の仲間である正吉を失っていた。悲嘆に暮れる嘉助。そんな中、嘉助たちは一つの任務を申し付けられる。それは、戦場から逃亡した敵の総大将である石田三成の捜索だった……。
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