旅の終わりでつかんだもの

現実世界と仮想世界を舞台にした青春SFドラマ。
小説家になるという夢を抱きながらも、家族に押し切られるまま医師になった主人公が、自分の仕事に一区切り付いたのが45歳。過ぎ去った青春を取り戻すため、現実さながらに再構築された90年代の仮想世界に飛び込み、そこでヒロインと出会って恋に落ちます。二人は互いに認め合い、愛情が深まっていきますが、やがてヒロインが心に抱える悩みが影を差し、それは世界の秘密へと繋がっていきます。
微笑ましくも切ない恋模様と、周囲の人間関係、重厚ながら丁寧に描かれるSF設定が世界観に上手くマッチしていて、最後まで読者を飽きさせません。
若い肉体での人生再スタートという、多くの人が夢見るシチュエーションで主人公が手にしたもの・失ったものが何だったのか、ぜひご自分の目で確かめてみてください。

その他のおすすめレビュー

水谷 悠歩さんの他のおすすめレビュー171