パクられた衝撃に倒れそうになったら読んでみて欲しい呟き

はる(haru8)

第1話 パクられて辛い思いを抱えるあなたへ

 WEBに限らず、どこの世界でも古今東西パクリはあります。

 けれども、特にWEB創作の世界ではその利便性や汎用性の高さから、非常に頻繁にしかもかなりの確率で起きやすいのは否定しがたい事実でしょう。


 恐らく、これを読む方々の中で、これまでの人生で一度もそんなことをされたことはないと言い切れる人はいないかもしれない。

 それくらい、平気で横行しています。


 ご自分の作品やその中での決め台詞、これぞと意気込んで書いた描写などがパクられたのを見つけた時、 あるいは周囲にそう知らされた時

 あなたの心はとんでもなく ざわつくことでしょう。

 なんで? なぜそんなことするの? どうして? 誰が? なんの目的で?


 そして 沸々と怒りが込み上げることでしょう。

 腹が立つでしょう。


 けれども、どうか その怒りの炎には呑み込まれないで欲しい。

 なぜならその負のエネルギーは、残念ながら ほとんどの場合、相手には受け取ってもらえない。

 そしてあなた自身だけを焦がして 灰にしてしまうから。


 怒っても良い、腹を立てても全然OK、

 当たり前ですよ、それだけのことをされてしまったのだから。

 愛する作品や、丹精込めて作り上げた言葉たちを勝手に使われたら そうなるのが当然です。

 それがダメなのではないのです。

 問題は、大事なのは、その爆発したエネルギーをどこに向けるか、なのです。


 まず、なぜ腹が立つのか、怒りが湧くのか、考えてみましょう。

 どうですか?

 相手が酷いから? そうですね。

 でもどうか 相手ではなくご自身に集中してみてください。


 なぜ? どうして? とご自分に問いかけて下さい。


 どうですか? 答えが見つかりそうですか?


 もし一つヒントを差し上げることをお許し頂けるなら

(なぜなら、ご自身に問いの矢を向け答えを得るのはご自身の課題であって、私がしゃしゃり出るべきではないから)

 あなたにとって その作品や言葉、描写がどれだけ大切なものだったか、ということに集中してみてください。


 大切なものを勝手に使われたから、自分の生み出した「著作権」を無視されたから、なんの苦労もなくパクるだけで成果を横取されたように感じるから、などなど。


 いろいろ出てくると思います。

 その中で一つだけ確かなのは、相手がどれだけたくさんあなたの著作物をパクろうとも、決してあなたの成果全部を持ち去ることなどできないのだ、という事実です。


 パクった人は、成果物だけを攫って行きます。 生み出されるまでの過程はゼロで。

 つまり、あなたにはそれを生み出すまでの過程が残っている。

 これは 誰にも、神様にだって取り上げることのできない宝物です。


 それさえあれば、あなたはまた 同じような素晴らしいものを生み出すことが可能です。

 けれども、パクった奴には それができない。

 当たり前です。

 そしてこの時点で、あなたは既に 勝者です。 敗者になんて、なれるはずもないのです。


 *追記:パクった相手が自分のオリジナルよりも評価されてしまうことがある、との貴重なご意見を頂きました。 有難うございます。

 確かにあり得ると思います。 

 それを否定するつもりは毛頭ありません。 

 その場合は、その相手をさらに上回るものを 出し続けるしかない、というご意見も、その通りと存じます。

 さらには、相手への憎悪を滾らせることでご自身の創作エネルギーを高めるという方法を取られるかたもおられるでしょう。それもまた、ご自身で選んでお決めになることですから、私がここで云々すべきではないと思います。

 ただ、ここでは、相手への憎悪に呑み込まれてしまって大切な創作エネルギーまで失わないで欲しい、という願いを込めて、発想や視点の切り替えを活用されることで 前を向いて歩いていって頂ける一助になればと存じます。*追記以上


 どうか悔しい思いを全部 これからの創作に注いでください。

 どんどん書いてください。

 怒りを全部、未来に向けてみてください。

 気付いた時、あなたはそんなパクリ野郎から はるか遠くの雲の上で幸せなモノ書き人生を送っていることでしょう。


 さらに言えば、相手はなぜ パクったのだと思いますか?

 ちょっと失礼な問いかもしれませんが、想像してみてください。

 もしあなたが人生で一度だけパクリを許されるとしたら、どれを選ぶかを。


 どうですか?


 バレそうにないもの? ふむふむ。 なるほど。

 これは凄い、と思うもの? うんうん。 それから?

 これいいなあ、いつかこんな風に書けたらいいなあと憧れるもの? そうですね。


 お気付きですか?

 そうです。 つまり、あなたの作品があまりにも素晴らしくて、真似したくて堪らないくらい見事で、踏み越えてはいけないと分かっていた一線を越えてまで

 盗んでしまいたくなるような、 究極の一作だったということです。


 あなたは、胸を張って良いのですよ。

 パクってしまいたくなるほどの 素晴らしい作品を、言葉を、描写を

 あなたはこの世に生み出したということに。


 *追記:凄いとか憧れとか、それほど強い感情ではなく、「とても軽い気持ち」でパクる人も多い、と貴重な示唆を頂きました。有難うございます。

 そうですね、そういうケースも多分にあると思います。 むしろ、そんな軽さがあるからこそ、やってしまうのかもしれませんね。

 ただ、少なくとも、相手はあなたの作品や言葉等の中に「これいいな!」と、ヒットするものを見つけたことだけは確かだと思います。 自分に利がないものはパクらない。

 その意味で、やはり、相手にとってあなたは「『良いもの』を与える立場にあった」という点に注目して頂けたらと存じます。その長所だけをプラスエネルギーとして受け取って、さらなる創作に注入して頂くことが、昇華への近道ではと考えるからです。*追記以上。


 それでも 心のイガイガはすぐには消えないでしょう。

 周囲はあなたの為を思って、「早く忘れろ」と助言してくれるかもしれない。

 でもなかなかそんな気にはなれない。


 良いのですよ、それで。ご自分を責めないでください。

 それが人間です。

 そして、そういう経験があるからこそ、あなたはきっとまた、 多くの人の心を揺さぶる創作を続けていかれることでしょう。

 そういうあなただからこそ、その経験があったと 数年後に笑いながら後輩を導いていかれることでしょう。


 どうか 少しでも お心が安らかになり さらなる創作に意欲を向けて頂けるようにと心から祈ります。


 最後になりましたが、『謂れの無い~』をエッセイ・ランキング1位という雲の上のような位置にまで導いて下さった読者の皆様、☆やレビューで応援の風を送って下さった皆様に 心からの感謝を込めて このエッセイを捧げます。

 有難うございました。


 拝


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パクられた衝撃に倒れそうになったら読んでみて欲しい呟き はる(haru8) @harutashiro

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