彩り豊かで、切ない三人の物語

情景と色がはっきりと目の前に浮かんでくるような、柔らかく美しい文章で描かれる物語。
中心となる三人はかみ合わない部分もたくさんあるけれど、それでも各々は相手を思いやっている――そんなところがとても素敵です。

重いテーマの中で重すぎない読了感、程よい寂寥感と余韻が残ります。冒頭の部分、初めに読むのと終わりに読むのでは、重さが全然違います。

いつか、千暝の願いが叶う日が来ますように。そう祈らずにはいられません。

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