人は誰しも加害者と被害者の両面をもっている

とても構成が秀逸で考えさせられる小説でした。
人は誰しも加害者と被害者の両面をもっていて、戦争や内乱などの非常事態下では特に顕著になる。
冒頭からでてくる飲んだくれの神父(聖職者であるのに酒に酔ってくだをまく)からしてテーマが暗示されているようでゾワッときました。
しかし、主人公の妻は被害者の側面しか描かれないため主人公の深い傷となっている…。そして主人公すらも話が進むにつれて加害者の側面が見えるような…。
深いテーマ性を持ちながら、わずか1万字程度で書いているのが素晴らしかったです。

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