ネ申はネットであぶれすぎている

出だしから作者の挑戦が見てとれる作品だと思った。
奇抜な表現。それが単なる奇抜さではなく、読めばわかる理由を持ち合わせている。
そしてこれも読めばわかるが、Web上、それもスマートフォンから読まれることを想定した技法の数々。
途中のあの回あたりとか、あれをやりきった勇気がすごいなぁと感心します。(ネタバレにつき曖昧)

ここまでは見た目に拘った技法の話。
ここからはストーリーと設定に目を向ける。
「神さまのネット進出を手伝ってほしい」「信仰を集めたい(家賃を払いたい)」そんな小賢しい思惑で主人公を巻き込んだ女神だったが、逆に主人公には脅されてしまい――
掴みは上々、そこから物語は予想外の道を歩んでいくので一気に読み進めてしまいました!
前述した技法を可能とする設定でありつつも、それが飾りではなくしっかりと主人公たちの行動原理に結び付くものとなっている。
テーマも現代にそったものとなっていて、とても考えやすかったです。
ベースがとっつきやすいので、いくらでも話が広げられると思います。番外編、続編、なんでもいけると思います!

……電子書籍なら出版できるんじゃないですかねぇ、KADOKAWAさん

技法のバランスがまだ不馴れそうなので、上手いこと噛み合えばさらに面白くなること間違いなし!期待値と挑戦への勇気も含めて☆3つです!

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