倒置的な展開を魅せる

タイトルであるイーガン病に口角が上がった。読書経験の中で強烈にインパクトのある文体は私たちの筆致に確かな足跡を残す。ただしSFであるし海外作品であるのだから、これは山岸真病と呼び習わすべきなのではないかとも考えさせられるけれど。私もかつてはニューロマンサーに脳髄を冒されてやたらとルビを振ってしまうギブソン病(あるいは黒丸尚病、ただ単にサイバーパンク病)に罹患した経験があって痛いほどよく判った。手離しに拍手。

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