ミステリー小説の枠から逸脱した真のミステリー!!
- ★★★ Excellent!!!
真実は1つ?
「解答」は最後に必ず確定されるもの?
ミステリーと親和性の高い心理学について、ミステリーとはおよそ相容れない普遍的無意識と共時性にまで踏み込んだこの作品は、これまでのミステリーの概念を根底から覆す革新的な作品です!
論理性と神秘性の、神がかりなバランスによる調合・・・そこから生み出されたこの物語は、mysteryという単語の持つ意味をすべて体現した真のミステリーと呼べるものかもしれません。
物語の骨格を彩るキャラクターたちはそれぞれの秘める感情複合によって複雑に絡み合い、謎解きを抜きにしても人間ドラマとして読み応え充分です!
ともすれば悪意に中てられ気が滅入りがちな事件小説において、涙と泪という魅力的な2人のキャラの軽快で微笑ましいやりとりが清涼剤として作用し、素晴らしい読み心地を与えてくれます!