無情に放り投げられた最後の一文に向き合うということ。


読了から数日経って、本当に今更なのですが、自分なりに解釈が纏まったのでレビューを書かせていただきます。

作中、主人公と彼女の思い出は、ちょうど走馬燈のように足早に駆け抜けていきます。
J-POPを皮肉るような一節がありますが、読んでいる心地としては、メルヘンチックな歌を聴き流しているような感覚でした。

そこまではいいのです。
それだけならば、僕はこの作品にここまで取り憑かれることは無かった。

最後に放り投げるようにして手渡された言葉が、あらゆる可能性を孕んでいて、そして、それをきな臭さすら感じてしまうくらいに、明け透けに漂わせているので、僕はこの言葉を、この物語をどう解釈すればよいのかとうんうん頭を悩ませました。

自分なりの解答には辿り着いたつもりです。
それをここで吐き散らすということはネタバレに直結し、あまりにも野暮な行為だと思うので、控えさせていただきますが……

してやられた。そんな気持ちと同時に溜息が出そうなくらい今はすっきりしていて、素敵な読了感に浸っております。

未読の方はどうかご一読を。
そしてこの物語の、しこりのように引っかかる違和感と向き合い、思い切り考えてみてはどうでしょう。

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