大切な本音と健全すぎる建前

本文にて書かれている作者様の本音は、レビュアーである自分自身が
近年、尽く最も言いたかったコトに符合し、非常に共感いたします。
そもそも「読み手」それ自体が成熟していない。だから安易な内容の、
およそ小説とは呼べないような体裁の作品が巷にあふれているのだと思います。
そこには作者や編集者自身のプライドもへったくれもありません。ただ売れればいい。
けれども作品を「商品」として売ることで出版社は利益を得られ、そこに立派な
ビジネスが成立します。世のラノベと呼ばれる作品群が、こうして我が物顔で
出版されているのは、確かにそれが「商品」として価値があるからなのでしょう。

そういったことを理性に返って綴られた追記は、健全すぎるほどに健全ですが、
やはり思うまま問題点をズバリと突いた本文にこそ意味があるのでは、と。そして
その追記も、後半の「読み返したい作品」については、それこそが本来の小説
作品と呼ばれるに相応しいものなのではないかと思います。個人的にも出来うる限り、
そういった作品を生み出したいと常々願っていますし、作者様のような書き手が
幾らかでもいるうちは、こちらを含め、そうしたラノベ予備軍がよくも
悪くも跋扈する小説投稿サイトも、まだ全く捨てたものでもないと思います。

その他のおすすめレビュー

みなもと瑠華@ミナモトルカさんの他のおすすめレビュー13