またSF界に新星が現れてしまった。
なぜ、SFはこんな魔窟と化してしまうのであろうか。
今作品は一見すると、くだらない下品な話のように思える。だが、実態は生物としての摂理と使命について深く切り込んだ哲学的作品と言えるのだ。
「おちんぽ」を切り取り、保存できる世界。
男は「おちんぽ」のために働き、「おちんぽ」のために生き、「おちんぽ」のために死ぬ。
人はなぜ、生きるのだろうか。
その答えは世界中の人間が探し求める一個の悲願である。
その答えを得るために、我々はこのすばらしくも、くだらない世界に根を下ろしている。
いつか、その答えを得る一瞬を求めて、私たちはいつ終えるとも知れない悠久の旅を続けているのだ。
本作品はそんな迷える人間の灯台足り得る作品だ。
暗黒の大海原をさ迷い、一つの光明を求め、もがき続ける我々を導いてくれる力を持った作品だ。
人生の意義について迷う、すべての男性諸君に読んでいただきたい。
最後に、作中の言葉を借りて、この拙き書評の末尾とさせていただく。
おやすみ、おちんぽ
タイトルで思わず敬遠したものの、レビューの評価が良いので勇気を出して読んでみました。
短編ですし、文字数も少ないですし、これならすぐ読めそうだったので。
生命について考えてる人って昔から結構います。
『利己的な遺伝子』という有名な本も存在しますからね。
私としては、そうですね。
生命の目的は繁殖することなので、男の本体は性器で正解だと思いますよ。
このあたり、人間の行動原理だとかについても、先ほどあげた利己的な遺伝子で議論されていたかと思います。
自己を優先するか種全体を優先するか、ケースバイケースで判断してより利益のある選択を取るんだったかな?
結構そのあたり難しいというか、奥が深いというか、かなり熱心に議論されていたはずです。
とはいえ、世の中の大半はコストで判断されますからね。
男性器を切り離して生命維持装置のようなものの中で保管するコストは無駄だと判断されるでしょうから、結局このようなことにはならないでしょう。
コストとは金であり、エネルギーであり、最終的には電力に行き着きます。
核融合発電や宇宙空間での大規模なソーラー発電が実用化されて世界のエネルギー問題が完全に解決されたとかでしたら、このような未来も有り得ないとは言い切れませんが。