ところどころに隠れる味

まず、タイトルで思うことは在ると思う。

取り敢えず、それは、置いてほしい。

著者の作品は他にも拝読させていただいてるのだが、やはりこの作品も同じだった。

同じ、と言うと悪い意味に取られがちだが、そう言う『ワンパターン』とは違う。

何と言うか“泥臭い”のだ。

著者の作品はすべて、登場人物が“泥臭い”。わかり易く言えば、少年漫画の主人公だ。

何でも一直線、莫迦正直で一途だ。一見、斜に構えている者でさえ。

勿論物語は、コメディはコメディなのかもしれないけれど、油断すると涙腺にダイレクトアタックして来ることも在るので要注意。

随所に散りばめられた笑いや毒や涙腺ダイレクトアタックが、コメディと言う枠組みに嵌まらない。

じゃあホラーじゃないのか、と言えば、厳密にはどうとも言えない。

たまにゾッとするなら、ホラーであろう。

一番のホラーは著者じゃないかなぁとは、ここだけの、話として。

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