主人公と作者の対立。『走れメロス』のお話の脇にはこんな事があったんだ、と素直に感心させられました。
面白いものを描きたいな
なんだかんだで、ごねたり、喧嘩したり。それでも、メロスは親孝行のいいやつでした。
こういう掛け合いは大好きです。作者がオチを書くまで登場人物は自分がどうなるのかわからない。己の意思でそのセリフを吐いているのか否か、そういった感情もよく見えて面白かったです。
言葉選びが秀逸で、最後まですらすらと気持ちよく読みきることができました。面白かったです。太宰そこまでするか……と、最後メロスと同じ気持ちになりました。
某24時間のテレビ番組のマラソンを上回るペースで走らされるメロスの切実な心情と、その作者の当時の心境(ああもうこいつはもう)を綴った作り手と作らされる側の熾烈な闘い。
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