タイトルがすべて

 徹頭徹尾、「妹が分裂、増殖していったら」というアイディアを形にしていった作品。
 最初は二人、それが四人、八人、十六人と日ごとに増えていく妹。そりゃ家にも入れなくなるし服も足りなくなるし食料も足りなくなるし学校なんか行けないし――と身近な悩みが丁寧に描かれて、主人公の苦悩に感情移入できた。
 それも一晩経てばさらに倍になるわけで、この先が見えない不安たるや。
 さらに、イレギュラーとして現れた十六番目の妹の存在。
 単純に増えるばかりではない、それでは一体どうなるのか。
 先が読めない展開で、ぐいぐい読んでしまいました。


 結末としては賛否を感じますが、これも「分裂を続けた妹」のひとつの形かと。


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