『可愛い!』から『ヤバイ!』へ。増殖する妹と壊れゆく日常。

衝撃的なあらすじとは裏腹、物語は、とてものどかに始まります。
いきなり二人に増えてしまった妹の藍ちゃんが、非常に可愛らしいんです。
元気で、ちょっとバカっぽくて、葵くんがデレデレとしてしまうのもすごく分かる、絶妙な愛らしさ。

そんな藍ちゃんが、どんどん増えます。
こんな可愛い妹が増えるなんて羨ましいことだなあ、うちにも一人くらい分けてほしいなあ、なんて能天気な感想は、やがて迎える洒落にならない事態を前に凍り付いていきます。
考えただけで胸が締め付けられるような、辛いターニングポイントです。

それでもなお、やっぱり、藍ちゃんはこんなにも可愛らしい。(だからこそ辛いんですけど!)
藍ちゃんたちと葵くん、そして読者を待ち受けるのは、あらすじ通りのスケールの大きく、厳しい展開のはず。
心を強く持って、世界の行く末を見守りたいです。

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