概要
百合と言うのは関係性の絶望であり、本来は暴力である。
友達の美和は、卒業を控えた三月に突然この世からいなくなった。理由も見当たらない突然の別れに戸惑うなか、卒業式の翌日に彼女から手紙が届く。その中身には切実な本音が綴られていて……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!切実で胸の痛くなる百合物語
作品として質が高いと思います。
少女の手紙と過去と現在を交錯させながら、高めていく手法。少女の心理に焦点をあててうまく創作されていると感じました。
『東北に住んでいないからそういう事が言えるのだ。東北に住む者にとって、東北の雪が好きなのはまだ小さい子供だけだ。』
この表現に、作者の揺るがない視点を感じました。言いたいことがある、伝えたいことがあるという気持ちが伝わってきました。
現実とテレビの向こうの隔絶、現実と心の隔絶。そうした気持ち、言いたいことがあるというのは創作の巧拙に無関係に必要なものだと感じます。必須です、魂です。
私はこの作品、とても好きです。
百合という世界において敵は何…続きを読む