分類不能の誘惑

間違いなく面白い。面白いのですが、いったいどういう感情を刺激されたのか分からない。
語り口はむしろ淡々としていながら、常識の通用しないアパートの全てが、何か心の根っこの方にあるものを魅了し続けてくるような感覚でした。明らかにろくでもない住人たちにどうしようもなく惹かれてしまうし、露骨に不便、と言うか危険ですらあるこの集合住宅に住んでみたいと思わせられる。
狐に化かされたとか魔法にかけられたとか、これはそういった気持ちなのでしょうか。非常に独特な読後感が味わえました。

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