酒井七馬と手塚治虫

作者 須崎正太郎

面白いです!!(完結済み・全12話)

  • ★★★ Excellent!!!

諸行無常、勝者と敗者。それすら移ろう世の流れ。

その中で自分の想いに生きた人々。

そういう意味で、このお話はキッチリと歴史物です。

それと同時に、すっと読み易く、キャラの想いや気持ちが入って来る感じもあるのが好いです。

今作は、戦後の漫画に関わった人々の内、漫画の神さまとも呼ばれる手塚治虫、ではなく、ある意味、勝者から敗者へと転げ落ちた酒井七馬にスポットライトが当てられています。

ですので、あくまでも主役は彼、酒井七馬です。

単純に、能力が劣ったから、ではなく、無情に過ぎる時代の流れこそが、それをもたらしています。

その流れは、昔も今も変わらず、常に流れる物です。

だからこそ、歴史物は人の心を捉えるのでしょう。

そういった物だけでなく、生きたキャラクター達が楽しめ、そして、読む事で知り得た新しい知識や、そこから浮かんでくる自分なりの考え。

そういった諸々が合わさり、面白いと感じました。

物語が完結してからレビューを書くかどうか悩みましたが、酒井七馬の転機となる、第八回目で書いています。

物語の中で生きている、これらのキャラ達が、どう終わりを迎えるのか?

それが更に楽しみです。

そして第12回にて完結されましたので、追記で書いています。

終盤である第9話から第11話に掛けては、栄枯盛衰、そしてどうしようもなく流れる時代の中で生きていった酒井七馬の結末が書かれます。

その終わりがどうであったのかは、ネタバレになりますので書けませんが、キッチリと書かれ読んでいてガッツリ楽しめました。

そして後日談ともいえる第12話は、読み終わった後に余韻を残してくれるような締め括りの回で、読書の楽しみを味わわせて貰いました。

歴史物ですと、ある種の無情さ、そして変化していく時代、それと同時に、その中にあって『生きていった』者達の物語を楽しみたいのですが、そういうも意味合いで、歴史物でした。

かつて実際に生きた誰か。

それを読んでいると味わえ、私は楽しかったです。

つまりは、面白い物語でした。

以上です。レビューでした。

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