漫画界の神様「手塚治虫」を育てた男の物語

漫画界の黎明期を語るにおいて欠かせない「赤本」。関西で販売され、一世を風靡した粗製乱造の漫画群の混沌から生まれた天才 手塚治虫。

彼を発掘し、育てた存在とされる酒井七馬。「新宝島」といえば、手塚治虫の出世作として漫画好きなら知っている、知っているべき作品だが、それが彼 酒井七馬との共作であったとは知らない人の方が多いだろう。事実、私もこの小説を切っ掛けに初めて知った。戦後の焼け跡から、「娯楽を、漫画を、世に送り出していこう」という彼のバイタリティを描く本作品は、力作の予感がする。

NHKの朝の連ドラ"ゲゲゲの女房"で、亡くなった水木先生が苦労していた時代、貸本漫画時代を面白く見た人には是非読んでもらいたい。歴史好き、サブカル好きな方も是非!

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