あがくが良い。もがくが良い。どうせ掌の上で踊るだけ。

極限まで修飾語を削り切った、シンプルな口語体で綴られたデスゲーム。

ともすればプロットをそのまま文章にしたかのような、素っ気ない語り口は、だからこそ直接、読む者に衝撃を与えます。

合計9000文字弱と短いお話なので、途中の脱落者たちの様子を省略するなど、物足りない部分もありましたが、それでもスリルは抜群。

主人公が手にした特殊なスマホで危機を回避するカタルシスも面白いですし、主催者に一矢報いようとする参加者たちの思惑も味があります。

何よりもラストシーン。
これほど皮肉かつシニカルな幕切れは、なかなかありません。
必読です。

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