硬派ファンタジー、ここにあり。はぐれ僧侶の苦労譚

 この作品の主人公は、プロフェッショナルです。職務に忠実で、厳格で、ビジネスをビジネスと割り切ったうえで全力を尽くせる男です。
 ドライでストレートなその生き様が、カッコいい。ただひたすらに応援したくなる、追い続けたくなる背中です。プロとして、仕事として勇者に仕え、どれだけ邪険にされようともその支えになろうとする。それが与えられた「任務」だからーー今時ここまで硬派な主人公をストレートに描く物語も珍しい。

 また、この作品は主人公と対立する立場の存在(勇者)もすばらしい魅力を放っています。正義感と人間臭さと男の欲望を、煮詰めてドロドロに溶かして固めたような勇者。たんなる軟派な存在ではない彼と、主人公が、この先どのようにぶつかり合うのか。それが楽しみでなりません。

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