猟奇殺人事件 vs 「特殊殺人対策捜査班」

超管理社会に起こる猟奇殺人事件を扱った警察小説。そこに、近未来の情景やサイコメトリー要素が絡めてある本作。

面白いです(*´ω`*)

少々ヘビー気味の文体ではありますが、写実的な描写が生み出すリアリティは凄惨な事件現場や緊迫感のある捜査過程を遺憾なく浮かび上がらせ、漫画「多重人格探偵サイコ」を彷彿させる代物。
そんなダークな雰囲気とバランスを取っているのが、事件を追う「特殊殺人対策捜査班」を構成する六人それぞれの過去やキャラクター性。濃い目の会話劇と心理描写に加えて、文字数が苦にならないテンポの良さも本作の特徴(更には、読み手にしっかりとした印象を落とす参考人や所轄の刑事達といった顔出し程度のキャラクター達の描写も魅力)。

猟奇殺人事件という題材に反して、読感は決して悪くないです。主人公の刑事”三輪蕗二”が章毎に起こる事件の真相に辿り着いた際、何が起きるのか?

是非、読み手の皆さんにソレを確かめてもらいたい。そして私のように「ほぅ( ´Д`)=3」と短い嘆息をついてもらえたらと思います。

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