長文タイトルというものがある。
あらすじを題名で表記する方法論であり、あらすじを読むことさえ面倒な、時間泥棒に心臓と鼻毛をぶっこ抜かれた現代人の生態に合ったやり方だ。
しかしこの方法は読書感想文には向いているが、いかにも助長である。
ここで巫女レスラーだ。ヒロイン御子内或子は巫女にしてレスラーであることを説明している。
これに疑問を指し挟む余地があるだろうかいやない。
マッドマックスは誰が何をする話なの?とかミュータントニンジャタートルはなぜミュータントで忍者で亀なのか?などと質問する者がいないのと同じだ。
マッドマックスはマッドなマックスがMAD な真似をしでかす話だしミュータントニンジャタートルは亀がミュータントになってニンジャになったのである。そういうものだ。
魑魅魍魎はびこる暗黒の世界であれど、プロレスと巫女有る限り、正義は必ず最後に絶対確実間違いなく確かに勝つ。この5文字のタイトルはそゆことを教えてくれるのである。
読もう。
「巫女がプロレスで妖怪退治」と書くと、とても奇天烈な小説のように思われます。それ自体は否定できません。
ですがキモであるアクションシーンの描写は素晴らしく、引き込まれるものがあります。
何よりも妖怪の一つ一つをきちんと調べ上げ、それに則した事件や行動をとっています。退治される妖怪一人一人を『単なるモンスター』として扱わず、相応の行動理念をもって戦わせているのは退魔物として素晴らしいことだと思います。
戦いだけにとどまりません。登場人物もまた、個性あふれる巫女ファイターばかりです。
人情あり、妖怪あり、恋愛あり、そしてプロレスありの作品となっています。
カクヨム当初からの作品であるため文章量は多いですが、テンポのいい文章のため苦も無く読むことが出来ました。秋の夜長にどうでしょうか?
前から気になっていた作品、休日になりようやく読むことができました。ヒロインの御子内或子は妖怪を退治する退魔巫女ですが、なぜかそのやり方がレスリングという異色の設定。
主人公は彼女に妹を助けられてからというもの、彼女と妖怪が戦うためのリングをひたすら作り続ける助手になります。
とてもテンポがよく、何よりクライマックスが近づくにつれて腹筋がやばくなる作品です。妖怪を退治するという凄くシリアスな場面なのに、リングにあがる巫女と妖怪たちの姿を想像すると笑いが止まらなくなるという不思議な話。
何より、正々堂々リングに上がってヒロインと戦いを繰り広げる妖怪たちに男気を感じてしまうのは私だけでしょうか。なんでリングにあがるんだよお前たちとツッコミを入れたくなりますが……。
心配があるとすれば、まだ作品の文字数が規定の10万文字までいっていないところです。これは是非とも10文字まで書いて欲しい。