柚木呂高

「半年以内に売れるゲームを一本作れ、そのための企画を、三日以内に持って来い――」 倒産寸前の弱小ゲーム会社、『アソビ・レボリューション』で働くゲームプランナー歴三年の俺、『桝田大…

「このお城の石垣を造ったのは、わたしなの。自分で造ったものは、ちゃんと自分で直さないと」と彼女は言った。 ちょっと脳内系がヤバい人か、良くてこじらせたオタク歴女系のお姉さんか。結…

漠然とした自殺願望を抱えていた僕は、ふと、恋をすればそれが晴れるのではと考える。 突拍子もないあほらしい考えだけれど、自殺を決行する最後の前に、僕はそれを実行に移すことにした。失…

世界中が激動した年の夏の夕暮れ近く、二人は久しぶりに街の東西に延びる大きな公園へと足を延ばした。世間は少しずつ落ち着きを取り戻していたが、それでも行き交う人の姿は少ない。 夏の風…

この世界を救った「八英雄」は、人間臭いを通り越した、狂人ばかりでした――王に、指導者に、教祖になっていった冒険者たちを、「九人目」の荷物持ちだった奴隷が回想する。 ※この物語は…

飲めばいいんでしょ、飲めば、薬を。 世界に横たわる差別や貧困や戦争に、 胸が痛んだり、頭を痛めたりしてる暇があったら、 薬を飲めばいい、って言うんでしょ。 自分のできるこ…

砂と灰の荒野が広がる滅びの時代、娘は色鮮やかな宝石を繋ぎ、小さな工房を彩る装飾を造り上げていた。そして見守り育ててきたアンドロイドは、最愛の娘の為に鉱石を探す過酷な旅に出る。 …

遥かな未来。果てしない時を経て、人類は一つの惑星に辿りついた。更に長い年月をかけテラフォーミングを施し、十分に人の住める環境へと造り替える事に成功したが、何故か人は滅びに向かって…

宇宙を駆けめぐる何でも屋に一つの依頼がきた。とある惑星にある、とある生物研究施設から、とある鉱物生命体を受け取って来てよ、というだけの簡単なお使い。だが依頼の品には、可愛い女の子…

麗らかな春の田舎道で僕は未知との遭遇を果たす。Ｃ型小惑星から名を改めた、万華鏡生物 2020年１号。それは世界を驚かせた、気さくで好奇心旺盛な宇宙人だった。 作者・管野月子 ©…

その日はやけに晴れていて、打ち上がる花火の音たちが、終わりを告げる鐘のようだった。 どこにでもある私立高校。学年の誰もが認める美少女、小南柚寿と、メンズ雑誌の読者モデルも務める甘…