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「風塵の碑」第36話のあとがきみたいな

 こんにちは、結愛りりすです。

 弁護士の原型は古代ギリシャや古代ローマの時代からあります。

 中世ヨーロッパにはアドボカトゥス・エクレシアエという教会や修道院を代表してその権利を守るための人々がいましたが、誤解を恐れずに言うなら教会・修道院でのお抱え弁護士みたいなもののようです。

 彼らは弁護士としての役割だけでなく、教会襲撃などに対してそれを守る守備隊の役割も果たしました。

 要するに、色んな方面で教会を守り、保護することを目的とした人々です。

 彼らの存在は401年のカルタゴ公会議でもその存在を言及する記述が見られるように、5世紀にはすでに存在していたようです。

 イスラーム系国家では招聘されて他者を弁護するといういわゆる弁護士はいませんでした。

 例えばサウジアラビアでは弁護士制度が出来たのが1958年のことで、本格的に裁判で活躍し始めるのは1980年代と極めて遅れています。

 これは弁護士がシャーリアには存在しない職業であることも一因にあるようです。

 イスラーム系国家ではイスラーム法が法律であり、その専門家は裁判官であり、法学者でした。

 つまりそれだけイスラーム法が強く根付いているため、弁護士を必要としなかったのでしょう。


 アルファーン帝国には弁護士という職業があります。彼らは裁判官相手にアルシャハン教義の解釈の議論をする法学者でもあります。

 アルファーン帝国の裁判は裁判官と弁護士、そして裁判所つきの法学者が解釈を議論することで判決を決めていくことになります。

 ラーマの伯父のラゼルはシュガルお抱えの弁護士、すなわち法学者という訳です。

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