狼子　由

　獣人が発見されて百年以上が経過した頃。人間社会では、獣人の存在が日常の一部になってはいたものの、依然、多くの獣人は研究対象とされていた。 　世界最高の権威を誇る研究所で警備員…

僕という存在の複雑性と曖昧性を文字という確実な表現方法で変換することによってしか、世界との関わりを持つことができない。そのおそろしさについての詩です。

遊牧で暮らしを立てる者が多い草原地帯で、町を作って生活しているデラフ族。他部族の不穏な噂が聞こえてくる中、町にやってきた隊商は、山向こうで拾ったという一人の少年を連れていた。 …

　生まれつきはっきりとものを捉えることのできない目を持つコウは、何かに呼ばれるようにしてとある社にたどり着く。長く続いた戦火により、訪れる者の絶えたその社は、社殿の細工も庭もすべ…

ベランダに兄の生首が投げ込まれたから、しょうがなく一緒に暮らす話。 ジャンルが現代ファンタジーになってたけどホラーに修正しました。

とある町に暮らす「僕」のお隣は――ジャックオランタン？ ちょっとだけ不思議な、「日常」のお話です。 とあるイベントで配布したSSの再掲です。

　紅い紫陽花の咲き誇る、古城のような屋敷で。 　シャナは、屋敷の主であるグラッフルに救われ、ひっそりと暮らしていた。 　穏やかで、甘やかな日々。 　だが、残酷な記憶は、シャナの心…

【BLです。苦手な方はバック推奨】借金が返せなくて死にそうだった男は、美少女と見まごう少年に助けられる。男は恩返しをしたくて少年がいる会社に入るが、そこはあまりにも常識が通用しな…

片田舎にあるラブホテル『ホテル・カリフォルニア』で、私は出会ったばかりのあなたとセックスした。孤独な二人はお互いの欠けた部分を埋め合わせるかのように付き合い始めたが、うまくはまっ…

深夜に肥大する憂鬱についてまとめた短歌です。

その実力を知れば誰もが絶望するほどの魔法使いエルムは、勇者を輩出する特別な国で冒険者ギルド最上のランクを持った、十六歳の少年だ。本人は面倒は嫌いなのだが、世知辛い世の中も知っては…

かつては水の国と呼ばれ、豊かな国土と技術力で他国を圧倒していたスィール国。 戦争により国土の南半分が砂漠化し、西に広がる海岸線とその海水も汚染され死の海となった。 それでも国は依…

仮想戦国世界。 近年勢力の急拡大を続ける尾形家と、旧敵の南条家は長年に渡り、戦を繰り返していた。 幾度目かの合戦の最中、南条家の密偵として育てられた少女が領主側近の暗殺のため、陣…

　出口のない街の広場には、一基の古びた絞首台がある。 　絞首台にはこんな張り紙がしてある。 『ご自由にお使いください』

中川克哉《なかがわかつや》は、著名な花火職人の息子だった。 堤篤志《つつみあつし》は幼馴染だった。 だが、平穏だった二人の生は、ある日突然に崩壊していった―― 三衣 千月様主催…

蒸発した母親の借金を背負わされる娼婦のリサは、人としての尊厳すらも奪われるという最低街（ボトム）へ送られるが、そこで出会ったハッカーのトオルにけしかけられるまま、自分を虐げてきた…

過ぎゆく夏のスピードに取り残された感傷と熱情たちです。

書き手として殻を破るため、シャイニングうんこに挑戦しました。主題としては異種間の交流と理解のお話です。 第七回こむら川小説大賞参加作です。お題「光」

ファミコン版ドラクエ３の思い出です。

【火・金　更新】この地上にダンジョンが発生してから、７０年が過ぎた。人々は探索者としてダンジョンに挑んでいる。それは荒事で大変な職業なのだが、なりたい人は後を絶たない。九条　有架…

　轟木高校文芸部は部員全員が三年生。部長の鑪麗華以外は幽霊部員、このままでは廃部……という危機にあって突如現れた新入部員・田畑悠大。 　しかし、一年の田畑は鑪に一目惚れしただけの…

深海が闇の世界などというのは陸の者たちの思い違いだ。太陽が遠いなりに、深海にも光が満ちている。 「彼女」の光に誘われるように、闇の中で輝き揺らめき近づいて来る──月のような、円い…

天空人のディナと地上の民のヨルが、バイクで終わりかけの世界を旅する話。ディナにとって未知の世界の全てをヨルが案内する。二人の旅は何処へ向かうのか。 完全新作のため不定期更新にな…

怖い話を書きたくて作りました。思いついたら不定期に更新します。

星に命を預けても、この感傷は誰にもやらない。

怪異や謎にお悩みですか？それならば是非<怪聞探偵事務所>にお任せください！探偵の紫紺が解決いたします！ただしお客様のお望みの解決法かは、保証できかねますが。 不定期更新です。 …

流れ星に何を願いますか？

文披31題に参加しています。 そのへんにいる人々の、そのへんに転がっている日々を、それぞれの目線で。 登場人物が共通しています 最初の　https://kakuyomu.jp/…

【完結】記憶のない勇者は記憶を取り戻すため、大地を行く。取り戻した記憶の欠片を頼りに、この世界を歩き、力を取り戻して、魔王に挑む。…それはやがて少年の夢になる。 完結しました…

書き留めた断章やふと漏れ出た呟き、文字の羅列の蓄積。 あるいは詩の、小説の一部にもなれなかった言葉の墓場。 私が生きている限りこのノートが完結することはない。

短歌・俳句コンテスト二十首連作部門応募作品です。 感傷は物心ついたときから私のポケットにいつもありました。 そこに一握りの抒情が混ざったとき、出来上がった言葉たちです。

ぜんぶ意味のない空想だ

死別ブロマンスリターンズ参加作品です。 死体埋められBL！！

今の自分を好きになりなさい、みたいなことを言われるたびに吐きそうになる人生でした。

　スーリヤ国では、貴人が死ぬとその妻も埋葬されるという風習がある。 　王妃アイシャも、若くして病死した夫の亡骸と共に墓室に入る。愛する夫にお供できるのは妻として名誉であり幸せのは…

惣山沙樹さんの『桐子』にインスパイアされて書きました。 作者様許諾済 元作品↓ https://kakuyomu.jp/works/16817330668899119611

月から来た客の依頼は、湖に浮かぶ小島にある神社への付き添いと送迎だった。 便利屋、木島は老人・佐伯を船で神社まで連れて行くのだが……。 ※本作は、深津弓春様のツイートからインス…

誰だって心に鬼を棲まわせているのだと思う。

大学の小説講座の講師が、花見に行きつつぐだぐだと考えごとをするだけの話です。 （文中引用出典： 梶井基次郎「桜の樹の下には」 https://www.aozora.gr.jp/c…

（まだ）存在しない物語の後日談または番外　https://kakuyomu.jp/user_events/16818093074716520324 　上記企画への参加作品です。…

『第一回男性ニーソ小説博覧会』参加作品です。 主人公の身長は165cmです。

簡単に読めるホラーや怪談の短編集です。

ピアの聞いた噂を男爵は一部肯定する。子爵に呼び出された男爵は、ピアのことをまだ疑っている子爵に余興をしろと言われるのだが…… KAC2024参加作品　第８回お題「めがね」 第１…

隣国コンパーニョの港湾で大発生したというワカメ。海藻料理を食べたいという姫の願いで、料理人ラウルが招聘されることとなったが―― KAC2024・8回目お題「めがね」参加作です。…

KAC20248。『めがね』。 メガネは、『眼の鏡』と書く。 なごや幻影奇想シリーズのスピンオフですが、これ単体で問題なく読めます。

その日王宮の晩餐には、鱈《たら》のトマト煮込みと共に赤ワインが供された。 しかしそこへ至るまでには、料理長ラウルと毒見役レナートのひそかな苦労があった…… KAC2024・7回…

KAC2024第七回お題「色」参加作品です。

KAC20247の２本目。『色』。 『ゴーストハウス・スイーパーズ』の番外編です。これだけでもノリで読めます。 お題要素は薄め。

とある事情で科挙の受験を断念した辰蘭《しんらん》は、都の片隅で怪異も扱う何でも屋を営んでいる。 君子が語らぬはずの怪力乱心を語る、との諧謔を込めて、名乗る号は子不語《しふご》堂。…