事実上の亡命となったオルコ帝国の皇女エレーナは、一目惚れしてしまったエド・キニーレイ少尉に連れられ、彼の実家で身分を隠し「ニーナ」という偽名を使って生活を始めます。
皇女として、何不自由なく過ごしてきたエレーナにとって、父親の殺害、親友の連行と絶望の中で、ようやく心穏やかに過ごせる時間を得たのです。
それも、片思い中の男性の実家に、住み込みで、それはまるで嫁いだかのような錯覚すら感じられ、まだ13歳のエレーナは、少し有頂天になってしまいます。
しかし、エドはエレーナと歳の近い自分の妹を寄宿舎学校から呼び寄せて、エレーナの話し相手にと考えていましたが、当のエレーナは、好意のあるキニーレイ少尉と夢のような一時を過ごしていた時に、本物の妹が現れたことで、再び現実へと引き戻された気分になります。
妹のマチュアもまた、兄と同様の白人系金髪の美少女でしたが、エレーナとしては、容姿でも負けたような気がして、余計に敗北感が増して行きます。
結局、この二人は、自分が負けたとお互い思い込んでいるだけで、その誤解が解けると二人は仲の良い友人となるのです。
↓ 「自称「未来人」の彼女は、この時代を指して「戦前」と呼称した」
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