若子

人生のピークが訪れたとき、その人は死ぬ。 そんな訳の分からない理がいつからかこの世界にはあった。 生き永らえるために望まぬ学校用務員の職に就き真っ平らな人生の道を歩いていた男は、…

男友達の優一はどういうわけか私のことを好きになってしまった。彼は顔をあわせれば私に愛の告白をしてきて、その度に私は断る。そんなことをもう七年続けてきた。こんなことを続けていて、い…

気付くと“僕”は壁に囲まれた小さな街にいた。 巨人でも乗り越えられないような高い壁に囲まれていること以外、特に何の変哲もない街。 その小さな世界が、僕にとっての全てなんだ。それで…

altra volta.　　音楽用語。もう一度

8月7日（土）18時30分

一年の終わりが目前に迫っていた冬の季節。 東京でシナリオライターとして働いていた“俺”は電車に乗って帰省途中、運悪く大雪に見舞われてしまい無人駅で待機を余儀なくされた。 古い駅舎…

人間関係に疲れて転職した小山内大輔は、派遣先の会社がなかなか決まらずに自宅で暇を持て余す生活を続けていた。 派遣先からの見送り理由はすべて同じ。 “心”がないから。

昔、名前も知らない誰かに命を救われた。 僕は、僕にとって英雄になったその人みたいになりたくて今まで生きてきた。 なのに、どうしてこうなったんだろう。

最近隣の家に引っ越してきた浩平という男の子。いつも暗くて俯いてばかりのその子と仲良くなりたい私は、贈り物を贈ることを決めた。 だって、もうすぐバレンタインだから。

童話というか、砂漠地帯をふんわり舞台にした神様ちっくな女の子の話。

　Twitterでの企画、ぷちへき企画より。 　あぁ、君はいってしまうんだね。君の世界で僕は脇役でしかないから。君の求めるままに、ならなかったこの世界で、君は死を刻むのだ。

美雨さんの文章は、驟雨でもなく、霧雨でもない。一定の雨脚でぼくの心に降り注いでくる。極度に激しかったり、弱かったりせず、常に適度な質量の淋しさと、おだやかな美しさがその言葉たちに…

他人の本音が聞こえる私は、本音が聞こえない“彼”と出会った。

就活もせず、web小説を書いている「僕」には、憧れの人がいた。自分を作った憧れと、その再会、そして———

高校の帰り道、高志は車と衝突事故を起こす。 クローン技術が発達した現代、壊れた体は代用できる高志は一命をとりとめたが…… 人の体はどんなに入れ替えても、それは元の人と同じ人と言え…

主人公の少年・ユウは、戦時中に町の地下に軍が用意していた自爆装置のありかを示す地図を偶然発見する。それぞれに悩みを抱える幼馴染のシュン、ハルキ、ツバサにユウは提案した。 『俺達で…

雪が嫌いな男と自称雪女の奇妙な出会い

1人の少年の、在りし日の夢と現実のお話。

肉体と精神の分離・接合の手段を発見したことで、定期的に身体を別のものに乗り換えることが可能になった時代。 家族や友達と一緒にいることのできなくなった少女・詩織は、廃園となった幼稚…

ぼっちをこじらせた主人公の唯一の趣味はＴＲＰＧ。ただしぼっちのため、実際のプレイ経験は一度もなく、キャラクターを作っては妄想するだけ。そんな他人に知られたら憤死しそうな趣味の男が…

なるちゃんの期待を失った日が、私が死んだ日。

ストロングゼロ文学だってお前には書けない。

何もない海の見える田舎町に暮らしていた“私”は、ある日堤防の上でリンゴを齧る“蛇のおじさん”と出会った。

失恋した私は、同じ学部、同じ専攻、同じゼミで、だけど一度も喋ったとことがない遠影くんと、「長生きの星」を見に行くことになった。

俺が浴室でバスボールを溶かした時、双子の少年少女は俺を責めた。

プールの底の暗い街には君がいる。

約600文字で構成された1話完結型です。 初投稿なのであしからず

酒場で賭けポーカーに興じている胡散臭い男が、対戦相手を前に、一つ面白い話をしてやると切り出す。 その内容は、かつてその街にいたという、有名な天才イカサマ師にまつわる話であった。

私が2017年夏から2018年春までTwitterのDMでやりとりをしていた方との話を基に作られています。少しだけ恋心も抱いていました。

ある日、死んだ父さんが突然生き返った。 でもそれは奇跡なんかじゃなくて、終末の予兆だったんだ。