小さな町で、少女が出会った男は人助けの旅をつづけていた。男は誰の願いも聞いた。車いすに乗った彼女が、男に長ったことは……泣く、絶対に泣く。
キリスト教の聖典をモチーフにした、不思議で、ちょっとほろ苦い夏の日のストーリーです。「林檎」から始まる2人の物語は、要所で出てくる様々な神話的"匂わせ"が散りばめられていて、うまい伏線の張り方だと思いました。結末も、確かにそうかもなと思いつつ、いつかまた別の結末が訪れることを期待してしまいます。サッと読めるけど、しっかりと考察させられる良い話でした。
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