よく「流れ作業にならないように!」っていう言葉を聞きます。
ですが、基本的に世の中は流れ作業で回っています。
どういう事かというと——。
交通安全を例に出します。
横断歩道は右左を見て手を挙げながら渡りましょう。
これは流れ作業ですよね。
一応「青信号でも車が止まらない時があるから」と意味を伝えたりもするのですが、ほとんどの子供達は何も考えずに言われた通りにそれをします。
質問されたら「危ないから」とは答えてくれます。でもその行動をする時は、ただ右左を見て手を挙げて渡る事しか考えてません。
それは他の物事、そう、コミュニケーションでもそう。
ぽんぽんリズムに合わせて会話します。変な「間」が開かないように。
コミュニケーションが苦手、内向的、そんな人達が「生きにくく感じる」のはそういう部分ではないでしょうか。
一度立ち止まって、決まり事の意味を考えてしまう。
当たり前に、普通に皆んながやってる事でもちょっと考えてから行動するので、ワンテンポ遅れてあらゆる場面でタイミングを逃してしまう。
みたいな感じでしょうか。
それが良い感じに働く事もあるのですが、多くの人達が「流れ作業」に順応している中で、一人だけテンポが遅れるというのは結構なハンデです。余分なエネルギーも使いますし。
ちなみに内向的な人でも「考え終わった事」は流れ作業としてやってたりします。
だから内向的な人は外交的な人に比べて「マイペース」とか「天然」と言われたりします。
つまり、ギャップがあるのです。
よくお仕事では「コミュニケーションが大事」と言われ、実際その通りなんですが、もっと根本的なモノを考えていくと「一度立ち止まってしまう」というクセが、その人を生きにくくしていると考えています。
ま、流れ作業の「内訳」を考えないでやるとデカいミスが発生したりするので、流れ作業が苦手な人の方が後天的に「デキる人」にもなり易いんですけどね。
なんで今、こんなお話をするのか。
僕は今更新している作品で、そういう描写を意識してます。
著名なモノだと、スタジオジブリが昔からやってるアレでしょうか。
ジブリ作品は基本的に「登場人物の腹の内」を見せないですよね。
その人物なりの「流れ作業」をそのまま描写しているワケです。
いや、流れ作業じゃなくて「立ち止まって考えるキャラクター」も勿論居ますよ?
でも視聴者目線だと、流れ作業か否か、はわかりません。言動からアレコレ考えるしかないのです。
キチンと考えないと地味に感じちゃうのは「ナウシカ」「火垂るの墓」「もののけ姫」みたいな作品でしょうか。
何も考えずに楽しめるのは「天空の城ラピュタ」「トトロ」「平成たぬき合戦ぽんぽこ」とかですかね。
ジブリは子供の時の金曜ロードショーでしか観た事ないので、それ以降の作品は知りません。
何が言いたいのかというと、ナウシカは大人向け。トトロは子供向け。
何故そういう区別ができるのかというと、ナウシカは腹の内を考えなければ十二分に楽しめない。
トトロは考えなくても腹の内がわかるから、です。
要するに、大人向けは内向的な人向け。子供向けは外交的な人向けって事ですね。
ですが最初に述べた通り、世の中は「流れ作業」で回っています。
元々内向的な人であっても、外交的になる訓練を学校や職場で受けているので、創作物のキャラクターの腹の内なんて、ほとんどの人は考えません。
たぶん「わかりやすい描写」ってのは、そういう事だと思ってます。
ですが、ですがですよー。
「千と千尋の神隠し」ってあるじゃないですか。
アレ、内向的な人も外交的な人も、その両方が楽しめる様になってます。
ソレを小説でやりたくて描いてるワケですが、中々難しいですねー。
取り敢えず、キャラクターの腹の内を探りたい人は探って下さい。
面倒な人は、そのまま読み進めて下さい。
としか言えないっすねー。
終わり。
https://kakuyomu.jp/works/16817330659234244247/episodes/16817330661444569643