女が喜ぶと書いて、嬉しい。
なんか意味深。
なんで僕がこんなくだらない事を思ったのかというと、今さっき、自作品の中に出てきた、
「やって。たぶんあたしは、嬉しいから」
というセリフを、見たからですね。
なんで自作品のセリフを見たのかというと、自作品を読み直していたから。
なんで自作品を読み直してたのかというと————。
……昨日の事です。
昨日の僕は、久しぶりに丸一日休み。もう何日振りかもわからない、そういう休みにウキウキしてました。今までスケジュールに余裕がなかった分なんでもできそう、そんな気分です。
そこで僕は五ヶ月以上振りに髪を切りに行きました。既婚者の元同僚に「いやー、久しぶりに女の子とマトモに話せて嬉しかったわ」みたいな軽薄なセリフを吐くくらいに気分がアガリました。
ですが、とある身内から連絡が入ってる事に気が付きます。
〝あいつ、また病んでて、話を聞くだけで疲れた〟
この「あいつ」も、僕の身内です。この時期は病むことが多いっぽいです。
僕は家に帰らずに、連絡して来た身内の家——つーかぶっちゃけ実家を訪ねました。
すると偶然、「病んでる方の身内」からの電話が入ります。「あんた代わりに話聞いてやって」と言われて僕が電話に出ました。
病んでる人と関わりのある人ならわかると思うのですが、そういう人とお話するのって、かなりエネルギーを使います。昨日もそうでした。
まず、現在起こった「落ちた理由」みたいなのを話されるのですが、「過去に起こったやらかしごと」みたいなのを凄ーく遡って、現在のお話とごっちゃにして語られるので、聞かされるコチラは
「アレ? それは今の事? それとも別の出来事?」とか
「ん? 今のこいつの云う『あの人』はさっきの『あの人』とは別の人?」
ってな感じに、けっこう混乱するわけです。
その上で「だから自分は冷酷になった」みたいな事も言われたりするので僕は「それは俺の知ってる『冷酷』とは、意味合いが違うなぁ」となります。
解読するだけで一苦労。
そーゆートキは、ですね。
「まずは順番に話そう。それはいつの事?」
「〇〇にそういう事を言った人は、もしかして、〇〇がこういう話をしたから、こういう流れでそんな事を言った感じ?」
と一個ずつ筋道を立てて、ロジカルになるように話を誘導したりします。
すると、なんという事でしょう! 語られる話の内容が理解できるではありませんか!
更に
「その人は〇〇を悪く言おうとしたんじゃなくて心配してたんじゃない?」
「例えば話してわかる人もいればわからない人もいるでしょ?」
「解決するシチュエーションもあれば、どうにもならない事もあると思うんだけど、どう?」
「その出来事を理解できるのは本人だけ。聞かされる方はその一部は理解できても全部は理解できないと、俺は思う」
「そういう立場から何か言おうと思ったら、当たり障りのない客観的な事実のみを云うしかなくない?」
「それでも直接そういう事を言ったのは、その人はどういう気持ちだったのかな?」
「俺はその人が〇〇を心配してたから、だと思うんだけど」
てな感じに、話をすとん、と落とす事が出来ました。
病んだ話を僕にした相手も、問題は解決されてないけど「話が伝わった実感」を覚えたようで、声の雰囲気が明らかに変わり、今度はコレまた関係のない「自分が嬉しく思った出来事」を語り始めましたとさ。
————という経緯があって、僕は自作品の内容を思い出し、読み返した次第であります。
んで、その物語の中に出てきた自作の歌を、BGMを流しながら口ずさみました。
そして今の僕の感想。
——ああ、やっぱ自分の作品って、どこまで行っても自分の為にあるんだなぁ。
コレですね。
さて前向きに、仕事の準備でも始めますか。
夜勤も残すところあと僅か。
頑張ろう。