ジーンは独り言つ。分かっている。自分がこの「月の裏側」に転属となったのは「罰」なのだと。 物語はユーラシア革命軍の軍医、ジーン・カナハラが愛娘のアイリーンを連れ「月の裏側」にある…

元宇宙航海士、今はアルコール依存症の、人生に希望をなくした男ゲイリー。彼は治療のため、遠い果ての星でのサナトリウムで療養を強いられる。その航路の途中で、宇宙船にアクシデントが起こ…

その惑星の植民事業は、土着のウイルスによる伝染病に阻まれた。 だが植民を諦めない政府は、罹患者を隔離し、 そして、それ専用の医療従事用アンドロイドを開発し医療に当たらせた。 彼ら…

人類は増加の一途を辿り地球の地表を埋め尽くしつつも、それなりにご機嫌に暮らしていた。 だが、ご機嫌なまま、死ぬまで生きていられないのが、哀しいかな人間の性、または業である。 ………

「いっちねんせいになったら、ともだち100人、でっきるかな？」 遠い未来、人類が増えすぎた宇宙で行われる、とある春の儀式のおはなし。 KAC2021「スマホ」参加作。

植民可能な緑の惑星が、その文明史上初めて発見された。 帝国の女王は、その地に、権力の徴（しるし）を自ら付けるべく意気込む。 だがそれは不可能と、宮中の誰もが知っていた。 そこで白…

性癖：人型アンドロイド　性癖：機械と人間の愛憎　性癖：人間心理の矛盾展開　性癖：伝染病 近未来、火星のコロニーの、とある法廷にて。人型アンドロイド損壊罪に問われた女の述懐。 自主…

六年に及ぶ外惑星勢力と地球の戦争は終結し、徴兵されていた俺は地球に帰還した。 故郷の駅に俺を迎えに来たのは、幼馴染みのシュウ。 彼は言う。「お前が無事に帰ってきてくれて、ほんとう…

近未来、「厄災」後の地球。安全を求めて人類は月に逃げ、地球に残された私たち孤児は、“ウサギ”と呼ばれて「彼ら」に飼われていた――。 自主企画：2022年9月の「同題異話」“黒き鏡…

地球から遠く離れたある惑星のコロニー。 市当局に勤めるヴィクトルは、貧民街であるR居住区に住むある独居女性を訪問する仕事を押しつけられる。闇に沈む貧民街を歩くヴィクトルは、いつし…

私は探す。銀河を旅する。いまや頭部のみとなった亡き彼女の望みを叶えるため――。 Twitter自主企画「novel首塚」参加作品。 ※サークル「弘法の筆」様主催のSFアンソロジ…