激情に駆られ、人型アンドロイドを破壊してしまった人のお話。
裁判中の被告人の証言、という形式で綴られた、約3,000文字強のSF掌編です。
犯人自身の言葉で語られる犯行動機。
どうして凶行に及ぶに至ったか、その心境の変遷が楽しいお話でした。
主人公の問われている罪、「人型アンドロイド損壊罪」という罪状が好きです。
一体どの法益を保護するためのものなのか、名前ひとつでいろいろと想像が膨らむところが素敵。
特に「人型」という部分、人型でないアンドロイドなら罪にはならないか、または別の罪になるという、その辺りからついいろいろ妄想させられてしまいます。
短くシンプルながらも、大変SFらしいSF感を味わわせてくれる作品でした。