人生の酸いも甘いも、全て練り込まれたような作品。舞台はSFであるけども、登場人物たちの人間臭さは驚くほど生々しく、読み手を容易に物語の世界に引き摺り込む……そんな力を感じました。おすすめです!
地球から人々が飛び出して、居住可能な惑星に植民地を開き、発展した時代。一人のアルコール依存症の死にたがりな男ゲイリーが、サナトリウムに送られる途中に不時着したその星に、一人の少女。 彼女は誰かが来るのをずっと待っていて、そして二人は出会ってしまった。 彼女、地球の軍人、そしてゲイリーという三者三様の考えと行動の中、色々な過去にまつわる謎が解けていきます。 SFですが、宇宙の広大さという横方面ではなく、歴史とは何か、という縦方面の広大さを感じる作品です。
アルコール依存症の男は、事故である星に辿り着き、そこでアンドロイドの少女と出会う。四百年もの書架を守ってきたアンドロイドが望むものとは……。しっとりとした情緒のあるSF。
アル中主人公のゲイリーの描写や一つ一つのシーンが丁寧で本格的ですそしてヒロインニーアとの出会いオススメです。ぜひ読んで下さい