PVは欲しいし、増えたら嬉しいです。
ハートや星はモチベになるし、とてもありがたいものです。
そうした単なる数字に見える一つひとつが、
誰かの行為の結果であり、生の一部であると思うと、
手に余るほどの喜びでもあります。
が、そればかり求めて書くと、しんどい。
カクヨムに限ったことではないのでしょうが、
そうして消えていく人々が一定数います。
承認欲求。
その四字で表してしまってはあまりに単純化が過ぎるような気もする私たちのこの欲望は、
思考や意思の力ではどうにもならない部分もあるものと思います。
もはや、感覚器官の一部です。
しかも、人間のもっとも興奮に近い部分に土足で立ち入ってくる類の、
非常に刺激的な感覚器官なのです。だから厄介。
かつて私は、官能小説を書いてみたことがあります。ネットで。
(カクヨムじゃないよ)
PVがなかなか伸びず、なぜだろうと考えていた時の試みのひとつでした。
そして、実際に書いてみてわかったこと。
まあ、クソアホみたいに伸びやがる!!!!!!!!!
(くそが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
それまでに書いたどの小説よりもはるかに伸びました。
官能小説には官能小説の独自の表現や規則があるようで、
それを丁寧に学んで書こうという気もなく、
単にエロがどのていどPVに影響するかを見てみたかったという、
それだけの理由で書いたわけです。
そして、私はすぐに書けなくなりました。
だって、ちっとも書く意味が感じられないから……。
PVやハートが無意味だとは思いません。とても嬉しい。
でも、それのために書くことの空虚さは、もう尋常じゃない。
官能小説の是非を問うているわけじゃありません。
官能小説には官能小説の作法があり、技術があり、芸術性があるわけですから、その道で作品を洗練させていくという考えもあっていいはずです。
が、私は違った。
その時から、私にとってのPVの意味が少し薄れました。
読む動機は人それぞれです。
私の場合は読まれたいから、というのが大半で、
時々自分でも想像がつかないくらいの素敵な作品と出会えるから、というのがちょっとで、
あとは惰性。
それでも、読まれた時、ハートをもらった時の嬉しさはわかるので、できるだけ足跡は残そうとは思っています。申し訳程度に。
PVの数字の中に、そうしたあらゆる立場の人がいる。
それは、それでいいのだと思える。
ですが、官能小説を読む人たちの目的はとても限定的で猥雑な欲望が大多数を占めるわけで、書く前からわかっていたとはいえ、やっぱり虚しかった。
だからこそ、ネットで書く人には、まず官能小説を書いてみることをすすめたい。
人に読まれる、ということの価値をあらためて考えさせられます。
ひたすらPVや評価、コメントなどを求めてしまう状態に陥らずにすむ(かもしれない)。
そして、自分の「書きたい」という欲望に素直になれる(かもしれない)。
まあ、別に官能小説でなくてもいいのでしょうけれども。
PV伸びずに悩んでいる人は、ぜひ一度お試しください。絶望と希望を同時に垣間見ることになりますよ。
なんや、この近況ノート。
更新しました。なんか好き。これ。誰か読んで(と、結局PVを求める私)。
『椅子から見る窓の外に』
https://kakuyomu.jp/works/16816700426633383705/episodes/16817330656912172953