以降は完結まで毎朝更新します。
さて、今回の第十六話は語りたいことが多いのですが、後に出てくる時に回すとします。次回は、本作品では数少ない、いわゆる『残酷な描写』があります。私からすれば、それほどでもないとは思うのですが、これまでの残酷な描写は、強いて挙げるとすれば、交通事故、聖女コトリスの悲劇の描写ぐらいでしょうか。財務大臣自害については、兄妹の一人称視点であることから、目撃しておらず、詳しく描写していないので当てはまりません。
本作品は、人の死に目を背けず、描写すべきところは描写するという立場です。日程から察することができるように、次回は死刑を執行する話ですが、『翌日、死刑が執り行われた』では済ませられません。なぜなら、普通の生活で死刑を目の当たりにすることなどなく、まともな人間であれば、そこには何かしら思うところが必ずあるからです。ましてや、自分にとって大切な人がそれを執行するのですから、周囲も含めて、当然多くの感情が動きます。そこを情景描写、心理描写せずして何が小説か、ということですね。
ちなみに、第十八話も残酷な描写がありますが、これはまた別の残酷さで、そこには推察要素も含まれていますので、皆様もまた別の感情が生まれると思います。そのような点でもご注目ください。