今回は、対比について説明したいと思います。
第十五話で改めて出てきた師匠と弟子の関係のように、本作品では様々な対比があります。文章、登場人物、会話、関係性、状況等ですね。
文章で言えば、例えば、一行がレドリー辺境伯邸を発つ際の別れの挨拶で、『〇〇と共に〇〇を〇〇した』を三度使用して、それぞれの個性を対比させました。これこそ、小説の醍醐味ですね。
登場人物で言えば、同じ魔法使いでも、ユキちゃんとクリスの性格や行動のように動と静の対比があります。もちろん、登場人物については、私が自由にどうこうできるものでもないので、自然とそうなったと言う方が正しいでしょう。会話や関係性、状況も同様ですね。
強いて挙げるとすれば、会話で言えば、同じくレドリー邸でパーティーの感想をそれぞれ言ったシーンであり、関係性で言えば、最初に述べた師匠と弟子の関係、つまり、カレイドとマー、シュウちゃんとシンシア、エトラスフ伯爵と王の三つの関係があります。そして、兄と妹の関係性の対比も、これから分かりやすく出てきます。状況で言えば、以前の報告で触れたように、同じ「別れ」であっても、全て異なる別れ方を描写しました。
以上のような対比は今後も出てきますので、そのような観点でも是非お楽しみください。