以下をお読みいただく前に、まずは第十四話をご覧ください。
第十四話では、『魔力粒子理論』が出てきました。『魔力粒子』については、今後も何度も出てくる言葉ですので、今回で理解しておくと、今後も何が起こっているのか想像しやすいと思います。そうでなくても、分かりやすいようにはしているつもりです。
何がどうすごいのかは、作中の説明時にあった水魔法で例えるなら、その違いによって、手のひらと水の『傘』がくっついていたり、離れたりしていたことからお察しの通り、敵に向かって手のひらから水が出ていくのが通常の水魔法で、敵の頭部を包むようにいきなり水が出現し、すぐに溺死させることが可能なのが、魔力粒子を使った水魔法なので、明らかに一線を画していることが分かります。
このような違いを理論で説明している作品を私は見たことがありません。もちろん、説明の必要がない、誰も気にしない、魔法は万能、全てはイメージで解決するという立場なのだと思いますが、本作品の世界と登場人物は、それを許しません。これまで本作品をお読みいただいた皆様も、そのような意識に目覚めているかもしれません。しかし、実は単純なことで、『これ、どうやって実現してるの?』『なんでそうなってるの?』と考えるだけだったりします。それを作中で説明しているにすぎません。
この世界で起こる現象には、全て理由があり、納得できない非合理的な理由は触神スペースを除いて存在せず、その触神スペースも、やはり理由があって存在するので、次元全体で見れば、合理的な理由で成り立っています。
考えてみれば当たり前ですよね。そうでないと『世界』として成り立たず、ただの『都合良くセッティングされた舞台』であったり、『歪んだ舞台』だったりするのですから。実は、その部分に直接的ではないにせよ、少しだけ触れた回がこの先に二回ほどありますが、まずはあまり意識せずに、お楽しみください。その後、ここに書かれたことを思い出して再度読み直すと面白いかもしれません。