Haruki-UC

大きくまんまるの月が空に浮かぶ夜。少女は大切な祖母が入院している病室で、不思議な少年と出会う。

二十世紀はまだ前半。全州に住む真亜子達家族は夏が来る度にサーカスを訪れていた。でも今年の夏はいつもと違う…。一家に降り掛かった悲しみの影の中で揺れる少女の心の再生。

父は一度も結婚していない。けれど娘ふたりの三人家族。姉妹にはそれぞれに母がいる。母たちは自由に出入りして、問題はなかった。わたしは大人になって、それが奇妙な構造だと思いはじめた。…

芥川「羅生門」で、下人に決断を下させるきっかけとなった老婆。彼女の人生とは、どのようなものだったのか。 私なりの妄想で、彼女の半生を描きます。

英雄を如何にして作るか。どうして英雄が必要なのか。王である私がそれを計画し、実行してゆく話。 フィクションです。作中の名前は実際の人物と一切関係ありません。

ぽつりぽつりと今の安泰と過去の錘。

頭はいいらしいけど口数の少ない男の子の生徒と、隣の席の女子高生がのんびりと会話したりして青春をとても静かに謳歌する話。 （一応そういうジャンル分けに設定しましたがただのんびり学…

市長の名古屋弁を「わざとらしい」と批判する父と母も市長のようにしゃべっている。 ということは、わたしもそうなの？　自分で気づいてないだけなの？ 妹の出産が間近になってきた。二階を…

東京の、 地上にこぼれ落ちてしまった星屑たちへ、数多の人々の過去を抱いて走る山手線へ、そしてどこかですれ違っているかもしれないあの人へ送る。

信長、秀吉、家康の三人が如何にしてその夢を継いだのか。

物理的な暴力はないが支配を続けるママ、無能者のようにそれに追従するだけのパパ。真里はその中でついにこころに、なまくらな、しかし深刻な傷を負う。それをどうするか、の話。

結婚をすると信じて疑わなかった彼から「別れて欲しいんだ」と切り出される。別れ話の道中に溜まりゆくフラストレーション。それをどうするか、という話。

ある謎を解き明かしたい考古学者が選択したのはイタコに力を借りると言うものだった。そして、いずれ、にんじんが……。

一人の女のほんの短い人生の話。

人生の黄昏時に二人は出逢った。 どこにでもいる平凡な中年の男女。 でも、たったひとつの恋。 いくつになっても、ひとは恋をするのです。

おめでとうってガチで言われたら怖いじゃん？つて。でも、誰かに言いたいじゃん？っつて。午前四時、五反田の一番高いビルの屋上から、ハローワールドと叫ぶ、だれかのお話。 KAC9お題…

女女の片方からしかベクトルが向いていない片思い短編小説です。

高校三年生の春・始業式、上野悟は佐藤千尋に恋心を抱いたままだった。二年生の秋に告白をし、「彼氏がいるから」とフラれていたにも関わらず。そんな中、悟は友人である清水から「千尋が前の…

流行というか、定番となったＳＮＳを利用 誰でもやっているＳＮＳ 私もその中の一人、ただそれだけ

いい大人になってからクソデカい駅のコンコースで迷子になったことはありませんか。 私はあります。そういう短編小説です。

亡き妻を偲ぶ男性と、妻の忘れ形見の黒猫の話。 ーいつか別れが来る関係だとしても、出逢ったことを後悔できるはずはないのだから。

金を食べる青年と、美しさを求めた女、心を欲した弟の物語です。

ショートストーリー 妄想する可哀想なあなたのお話。

あの空席の存在を、僕はいつまでも考え続ける。

本備忘録は契約社員(30歳、独身)の心の闇を具現化したものである。本備忘録は読者に負の感情を惹起させ得るため、閲覧は自己責任で行って頂きたい。本備忘録の閲覧により生じた一切の事象…

お盆の時期に実家へ帰省した「私」と高校時代に「私」が所属していた天文部の「部長」の話です。 帰省の折りに感じるノスタルジックに触発されて、今見頃のペルセウス座流星群と高校生特有の…

アフリカの子どもと日本の私。はたしてどっちが幸せで、どっちが不幸なのか。

不眠症の作家が休養のために向かったホテルで、彼は不思議な少女と出会い、ある話をきかされる。

私はもう戻れない。 このどうしようもない思いをどこにぶつけたらいいのだろうか。 この、どうしようもなく汚くて醜くて、ひとりよがりな思いは、きみにぶつけたら壊れてしまうだろう…

人の話に耳を傾けるためのロボット、ストレプトカーパス。 人類を救うはずのロボットたちは、いつしか人類を滅亡へと導き始め――

未来。人工の薄い雨が降る街を、一人の男が歩いていた。ある老人を訪ねるために。

母によって自由がない生活を強要される主人公は一つのアカウントを見つける。

五年以上前の記憶が消えている私の、少しだけ覚えている人生の感想（詩） 調子悪い時の詩は不快かもしれません。

翻訳家の鶴久マキナは、作家のジョン=ミハイローレという人物に関して研究を深めていた。ある日、マキナは翻訳の大先輩である葉坂獻一(はざかけんいち)が自宅に訪れた際に渡された書評で、…

「私」という主人公の告白録。 母に置いていかれたことがきっかけで、父と二人きりの生活になる。だが、母の不在の悲しみが癒えずに不登校になり、父との関係がねじれていく。 中学校も相変…

2〜3分程度で読める、独立した話を集めた短編集です。 日常の中の些細な出来事を描いたり、前作よりも広く表現していきたいです。

熱されたアスファルトに横たわるマイナスドライバーと、宙に浮かぶ不安定な〈ふわふわ〉。

煙草と、あの人と、紺青のライター。 曇天に溶ける煙草の煙が、涙の雨を降らせるまでの、少しのお話。

フィクションとノンフィクションの間。亡き祖母とわたしの、唄に纏わる想い出の話です。

私には何もない。これはただの私小説で、メモ書きで、百均のノートにでも書き連ねるべき戯言だ。

気が付くと裁判所にいた男、茂野月 愛世。 何故か被告人になっている上、彼の罪状は「モノを大切にしたこと」であり――

私の青いおはじき。 その青さは、ほかのどの子が持っているものよりも、美しいはずで――

「桜の木の下には死体が埋まっている」が信じられない、空想を信じられなくなってしまった引きこもりの話です。1話目がドのつく絶望で2話目はほのぼの。静かなジェットコースターのような読…

少女は下関から東の都に至るまで夜汽車に身を預ける。長い道のり。車窓から見上げると、確かに見慣れた夜空の筈がどこか違和感を覚えた。不思議な見覚えのあるようなないような乗客たちが乗り…