概要
明瞭な未来(あした)か、不明瞭な明日(あした)か。
未来。人工の薄い雨が降る街を、一人の男が歩いていた。ある老人を訪ねるために。
おすすめレビュー
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- ★★ Very Good!!未来のない時代の時間渡航
時間渡航が可能となり、明日何が起こるかわからないという意味での「未来」が消失した未来、という設定の大胆さが良かったです。
私は名前だけ知ってるレベルでしかないですが、途中引用されているハイデガーの主張をきちんと知っていれば、さらに「そういうことか」という気づきが色々出てくるのかな、という気もしました。
現代社会も既にそうなりつつありますが、便利な仕組みを活用することで様々な行為や判断の精度を高めることが可能になる一方、
我々は本当にそこに身を任せたままでよいのか、という部分は根源的な違和感として誰しも持ちうるものだと思います。
端的でソリッドな掛け合いと風景描写による雰囲気も堪能させて頂く…続きを読む