破者の刻印(再読)
・長編なので、メモりつつ読みます。
・まず、わたしが個人的に「苦手」とするファンタジー小説は、主人公が一人で何でも出来過ぎてしまう話。
・ゲームでは「無双系」と言われるタイプは、結構楽しく遊べるわたしでも、小説で、一人が1万だの10万だの倒す話は「んん…?」と疑問をもったりします。
・おそらくだけど、小説(ラノベ)=現実でも可能性のある話として、脳が判断を下しているのだと思う。
・これが、小説(ラノベ)=ゲームだと捉える人とは、話が合わないことが多くて、頭のスイッチを切り替えることになる。
・異世界で無双して成り上がるとか、現実でチーレムするような主人公をカッコイイ、素敵、ストレス要素はいらないと怒る人は、小説(ラノベ)ではなく、ゲームの話をしているんだな。と感じることにしています。
・そういう意味で、これはどっちだろうと想いながら読んでるけど、いまひとつわからない。
・主人公やヒロインが無双する描写はないけど、同時に「人間味」もあまり感じられない。長所や短所を描写する場面が、あまり見えない。
・んん…ちょっと設定に難。というか、整理された情報と、片っ端から全て設定を推していく。というのは違うと思うの。
・もしかすると、グレッグ・イーガン氏のような、才能があるのかもしれない。ただ、わたしには読みづらい。
・読みづらい理由は、キャラクターが物語を牽引する要素になっていないから。
・キャラクターが二人いれば、何か起きるわけだけど。この話はアーサー王の伝説のように、後の事象として、出来事すべてを語る超常視点が並行していて、三人称の文体そのものが、ストーリーを牽引する要素になっていると感じる。
・翻訳された「アーサー王」の話を、冒頭で「お、おもろない…」と一度投げだしたわたしである。これも似た印象。ちょっと読み飛ばす。
・あくまでも【現代物のエンタメ作品】として読んだ上での欠点。
・キャラクターが弱い。地の文章の割合や、セリフの比率という問題点ではなくて、地の文章が、歴史の教科書のように、発生した事象だけを述べてしまっている。
・現代文のテストで必ず出てくる「この時の登場人物の心境を以下から選べ」というやつである。(´・ω・`)知らんがな。書かれとらんがな。とりま消去法でAにしたろ。先生の性格も考えてAが無難やろ。正解やったわ。さすがわたし。という深読みテスト要素のような文章になってしまっている。
・感想が難しい。この作品はこれはこれで良いと思う。だけど単純に「おもしろいか」と聞かれたら、たぶん「おもしろくはない」になってしまう。おもしろくない、と思うわたしの認識も、本当は間違ってるかもしれない。
・うーん。
・一つ感じたのは、キャラクターが【同じようなタイプ】しか出ないなと思ったこと。この話の主人公は、ゲオルグとリュシエルだと思うんだけど、この二人の違いがわからないのは痛い。
・これは女性の聖騎士であるディードも同じ。基本的に真面目。
・ゲオルグ・リュシエル・ディード。3人とも、全員真面目タイプ。
・作者さん的には、もちろん全然違いはあるのだろうけど、読者から見て、劉備・関羽・張飛ぐらいに違いがあるか。長所と短所、および役職がハッキリと別れていて、どれか1人を好きなキャラとして見られるか。という要素には程遠いと思った。
・それで、やっぱりお姫様も真面目タイプ。
・真面目タイプしか出ない。キャラクターの色合いが皆、似すぎてしまっている。作品として弱くなっているのはそこだと思う。