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【自主企画】メモ 2017/10/20


〇BARノスタルジアへようこそ~日下部悠司のアルバイト記~
 ・冒頭が良い感じ。自称:平凡主人公。
 ・平凡じゃないところをどう描くかに注目して読む。

 ・ここはもうちょっと、上手く書いてほしいかも。

(引用)
悠司はうんざりしながらもベッドから下り、しわくちゃになった哀れなパーカーをハンガーにかけ戻す。ああ、新品なのに。
 まだ昼前だが、洗濯をしてからすでに四回目だ。引っ越してきてからの回数となれば、もう何十回目になるか分からない。
 こういった異様な偶然が、この部屋で暮らし始めてから続いている。大学でできたばかりの友人に話したら、「心霊現象なんじゃねぇの」と笑いながら言われた。
(まさか、なあ……)

(ここまで)

 この場合、大事なのは、服がくりかえし落ちているというものではなくて。【おかしいと思った時に主人公がどう対処するか】です。
 たとえば、掛けていた服がハンガーから落ちるのは十分にありえることなので、それがよく落ちるなら、ハンガーに問題ありと考えるのが普通です。
 では、ハンガーだけを買いに外出するのか、それとも食事の材料を買うついでに、ハンガーも買うのか。それとも、洗濯ばさみで絶対に落ちないように工夫したりして、妥協するのか。それすら面倒な人なら、ハンガーにかけるのをやめて、その辺りに投げ散らかしているかもしれません。
 実際、この主人公は特に対処せず、同じハンガーから服が4回も落ちているのに繰り返し掛ける。という対処をしてるわけですが【物語の主人公の行動】としては、悪手に映ります。
 物語の主人公として、なし崩し的に【同じ行動(失敗)を繰り返す】というのは、発生したイベントに対する回答として〝おもしろくない〟。
 ちょっと異常な事が、自宅で起きているのなら、主人公が【それにどんな対処をするか】で、主人公の性格が読者にも伝わります。そしてなによりも、

 かけていた服が、ハンガーから何度も落ちる。なにかおかしい。

 こういう些細なイベントを作れるのは、実は結構センスがいります。
 作れない人は、作れません。わたしとか。

 ・問題なのは、センスに対する回答がないこと。あるいは、作者が自分のセンスに気づいてない可能性が高い。
 ・「心霊現象かな、まさかね」ではなくて、できれば【トラブルに対応する主人公の行動】を、同じように、さりげなく入れてみてください。

たとえば、
 ・ハンガーから服が絶対に落ちないようにする。
 ・洗濯ばさみでしっかり挟んでやったぜ。
 ・隣のパーカーが落ちた。そいつも洗濯ばさみで挟んだ。全部挟んだ。
 ・ドヤァ。疲れたわ。ベッドで横になるわ。
 ・ドサドサァ。本棚から本が落ちる。
 ・この家、絶対おかしいやろ……さすがに相談するわ……。

 という感じ。些細なできごとに、主人公の些細な行動をプラスすることで、その後の展開にも、さらに(少しではありますが)説得力を足すことができると思われます。
 ・全体的にレベルが高い。けど、キャラクターの関係性が非常に希薄なのが難点。主人公が、昔は従妹が住んでいた物件に入れ替わりで越してくるって、それなりに仲が良いと出来ないと思う(実体験済み)
 ・前後の因果関係というか、従妹のプロフィールがまったくわからないので、外で普通にあって話しているというシチュエーションがわかりづらかった。というか普通に考えたら、2話冒頭の「うっそ、本当に?」のセリフは、100%の読者が、バーテンダーを紹介した大学の先輩だと判断するはず。

 ・ここは、かなり良い。

(引用)
 一人、暗い夜道を歩きながら、パーカーの内ポケットに入れた盗聴器をきつく握りしめた。
(どうにか、犯人を捕まえられたらな……)
 実は日中、警察署に相談しには行った。だが、盗聴器に指紋は付着しておらず、犯人を特定するのは難しいと言われてしまった。
 このまま何の手立ても打たずにいたら、いつか友美の身に危険が及ぶかもしれない。それだけは阻止せねばならない。
 ――男は女を守らなきゃいかん。だから強くなれ、悠司。
 亡き祖母の言葉だ。おかげで小さい頃から近所の空手道場に通わせられていた。残念ながら黒帯まではいけなかったけれど
(ここまで)

 ・エピソードがしっかり書いてある。シチュエーションともリンクしている。さらに黒帯までいけなかったというのも【平凡な主人公】という属性を際立たせる要因になっている。上手い。
 
 ・問題があるとすれば話の構成。主人公の背景はそれなりに描かれているけれど、大学の友人、バーテンダーの店主、従妹、守護霊として憑りつく祖母などの関係性がどれも希薄。希薄というか、そもそも描かれていないのに、新しいキャラクターを登場させて、即座に物語が進んでしまうので、読者としては〝展開を楽しむ間〟がない。速度が速すぎる。

 ・どうすればいいか。
 ・方向性としては、登場人物にまつわるエピソードを足す。

 ・バーテンダーに「お婆ちゃんが憑りついてますよ」と言われたら、普通は「え!? マジで!? やめてくれよ!」となるはず。
 ・家に帰って、お風呂に入る時。服を脱ぐ際、お婆ちゃんのことを考えて手が止まるとか。「……見んなよ?」の返事に、扉を軽くノックする返事がきて「見てないよ」と確認するイベントを入れるとか。
 ・夢の中で、昔の夢を見て、従妹と何かして、お婆ちゃんに叱られることを思い出すとか。昔は従姉と結婚する約束をしていたとか。登場人物を複数からめたイベントを作り、一旦、物語の速度を落とす。それから従姉に連絡をして出会う。出会った時も、二人でお婆ちゃんのことを話させてから別れる。その後、早急に事件を解決する。という感じに、物語の緩急を意識的に作る。

 ・「始まりのフロリダ」のエピソード後、主人公がバーテンダーの下でバイトを始めるというのは、十分に良いと思う。ただ守護霊のお婆ちゃんが成仏していなくなる点は、まだ工夫の余地がある。

 ・個人的には、世話焼きで、正義感の強い、おせっかいな守護霊のお婆ちゃんは、何らかの形で残した方が良いと感じる。たとえば身の回りの何か、キーホルダーとかでもいい。毎日身につけられるものに憑依して、ちょっと口を挟んでくるようなキャラクターと化せば、十分に可愛いと思う。

 ・この話は改稿すれば、もっと上にいける。
 ・作者さんの近くに意見をだせる人がいるなら、募った方がいい。


俺の高校生活が始まる前から終わってる
 ・「なんなら一人で人生ゲーム出来るまである。なにそれ悲しい」
 ・ちょっと笑った。一人人生ゲーム=小説の創作かな?(笑顔)
 ・媒体が小説で絵がないので、冒頭で主人公の性別がわからない。
 ・新作のお菓子を買って喜ぶのは、イメージとしては女子。
 ・状況がちょっと把握できない。
 ・事故にあって家に戻ると、姉妹がいる―という、ギャルゲエピソードだけど、事故に合う必要あるかな?
 ・一応、高校生の話なのに、高校に行くまで20話かかってしまってる。主人公も家でゲームしたり、マンガ読んだりしてて、自発的に何かする事もないし、目的意識もないから【明日起こりそうなこと】の予感がないです。読者としても何を楽しく読めばいいのか、わからないかも。


黒歴史という負の概念に囚われるな
 ・あくまでわたしの意見として思うこと。勉強のできる人って、勉強しかできない人もいるって思われるかもしれないけど、実際にはそんなことないです。勉強ができるってことは、与えられた問題を時間内に解けるってことだから、実は【要領の良い人が多い】のです。それから【人から与えられた課題】をこなすわけだから、勉強のできる人は実際、現実でも付き合いやすいことが多い。というのがわたしの考え。
 ・もう少し具体的に言えば、できる人っていうのは、少なからず【物事をどうすれば要領良くこなせるか】って視点を一度はもってるのです。だから、自分の不利になるような事は公で言わない。
 それって、要領が悪いことだから。だから、全国スピーチで「おまえらを奴隷にしたい」と胸の内をぶつけてしまうなら、相応のエピソードがあるはずです。鬱憤がたまっていたから、吐きました。では、理由にはならず、共感はもてませんでした。



 おはようございます。支度が整ったので、9時から読みます。

・人の作品を読んで、だいじだなと思ったこと。
 
1.キャラクターをきちんと差別(差別化)する。
 物語の冒頭は「主人公」を強く意識する。主人公と、それ以外のキャラクターの重要度は当然違うのだから、親として、自分の作品に平等な愛情を注いでいたとしても、主人公(主役)だけは、他のキャラクターよりも優遇しないといけない。

2.評価点を視覚化する。作品の弱い部分(weak point)を把握する。
 評価部分を「A~C」判定するのって、偉そうで嫌だなと思ってたけれど、評価を視覚化することで〝なにがいけないのか〟分かってくる。特に、もう一歩だけ足りない、という作品は、特定の項目だけが「C」と判断できて、改善すべき項目を見つけやすい。また「C」評価の部分を改善することで、他の評価も軒並み向上する可能性が高い。

3.初読でとりあえず続きを読みたくなる要素は「文章の上手さ」と「キャラクターの動機」。読みを断念する要素は「変化の起きない展開」「新規要素の無さ」。ハッキリ言って、キャッチコピーは関係ない。
 
 傾向として、文章力の上手な人は、一場面をだいじにするあまり、展開がまったく変わらない、長く続くことが多い。例えるなら、カメラのピントを完璧に合わせ、美しくとれた風景の一枚を、延々と語っているような感じ。読者としても最初は「綺麗にとれてるね」と驚くけれど、それをひたすら続けられると、飽きてしまう。

 逆に、文章そのものにこだわらない人は、キャラクターをとにかく動かして、目的地に向かい、まっすぐ進ませようとする。見ている側としては気軽で楽しい。ただし、キャラクターを一度まっすぐに進ませると、作品を書くのになれた作者が「もっと詳しく書けるかも」と、カメラのピントやフォーカスを意識しはじめる。すると展開が急速に落ちる。読者としては、その時点で飽きる可能性が高い。
 とはいえ、物語冒頭の初速を続けていても飽きる。キャラクターを増やしても速度は落ちる。

 ・どうすればいいか。

 主人公を、まっすぐに走らせていくタイプの作品は、物語の速度を落とす際、キャラクターの関係性を一段階深めるイベントを入れる。そして該当するキャラクターと共に「新しい目的地」を追加する。さらに「古い目的地」をその時点で削除する。物語に新鮮味をもたせてみると、いいかもしれない。

 とか、いろいろ考えてみる。

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