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「編集者不要論の否定」に、反対としての見解を述べてみる。ついでにカクヨムとかに関して思うところ。


 おはようございます、秋雨です。

 編集者の三木一馬さんが、なにやら新規で小説投稿サイトを立ち上げる、既存の媒体とは違うものを目指している、という旨のツイートを拝読しました。

 巷にはびこる【編集者不要論】に真っ向から反対する。編集者は「本を読み、時々意見を放ち、原稿を求める人」ではなくす。個々の作品を総合的にプロデュースできる人間にする。編集者、作家、読者の全員が『幸福』になれる相互関係のプラットフォームを制作する。といった旨のつぶやき。

 三木さんといえば、ソードアートオンラインとかの編集さん。ぐらいの認識でしか知らないので、たぶん間違ったことを一杯言うと思うけど、自分の中をアウトプットしたいので、思ったこと適当に書きます。


 まず、わたしの「web小説」への考え方の結論。

 単純な話だけど、テレビゲームを連想させる「異世界ファンタジー」に、原則として他ジャンルは敵わない。

 敵わない、というのは、数字が取れない、ということ。
 おもしろいか、おもしろくなくないか。
 出版すれば数字が出るか、出ないか、という話ではなくて。

 10進数の世界において「1」は「0」よりも大きい。
 という数学的な命題が成り立つのに等しく、webの投稿小説サイトにおいて「異世界ファンタジー以外のジャンル」は、テレビゲームを連想させる「異世界ファンタジー」に、数字上では勝てない、ということ。

 そして小説投稿サイトに「ランキング」制度を取り入れているのであれば、必然的に「異世界ファンタジー」が1位から100位(仮の数字)を占め、その他のジャンルは「101位以下」になる、その事実は最終的には絶対に避けられないということ。

 さらにランキング内より「1位」のものから順次、機械的に書籍化し、資本を成り立たせる「市場上の現金取引」を実施した場合、生産したコスト以上の原利益が出ることが保障されている。(とする)

 以上から世間の人々は「編集者はいらないのではないか」という。

 要するに【編集者不要論】というか、オリジナルのセンスを発揮する作家と、そのセンスを見出し、支える存在などは必要なく、無機質にテンプレートだけを描き続けられる人間と、本を作る権限を持った人間さえいれば良いのではないか。

 世間から活動を疑問視する意見と、現場で働く人間の否定。
 今回の観点はその辺りだろうなーと思う。


 /三木さんの意見
 編集者とはプロデューサーである。誕生した作品を如何に盛り上げていくか。それが要であり、その能力を保持する編集者は不要ではない。故に編集者は新しいビジネスを成立させるため、変わらなくてはならないという意見。作家と編集者は二人三脚であってこそという意見もある。


 /わたしの個人的な考え
 まず【編集者不要論】というよりは、「なろう」=「ランキング」システムができて、人気商品の傾向と分析が、製作者と消費者に等しく可視化された。それらを商品化することで、市場の需要と供給が成り立つ「出版業界のビジネスとしての最適化」が進んだと見るべきではないか。だったらべつに、それはそれで問題なくないかな。とも思う。


 ――なので、三木さんの考えを(わたしなりに)理解して、突き詰めていくと「異世界ファンタジー」を1位から100位まで順次出版していく出版社がある一方で、それも含めた多彩なジャンル、1位~1000000位から「おもしろいもの」を見出して、作家と二人三脚しつつ、マルチメディアコンテンツとして平等に展開し、既存の出版社に属する編集者とは別の手段を模索して、俺たちは俺たちのやり方で生き残っていくぞい。という考え方。

 確かにその話はとても魅力的で「おもしろそう」だ。
 ただし、当然だけど、難易度が、超ーーーーーー高いよね。

 ゲームで例えるなら(オタク的観点)あえて【一番上の難易度を選択する】ユーザーにも似た、全体の割合でいえば「ごく少数のマニア」な人々の思考だ。そのビジネスを展開するのは容易じゃない。アルティメットハードってレベルじゃないぞ。ということだけは、ひしひしと伝わってくる。コワイ。

 そしてもう1点難しいのは、分野として『完全新規』として立ち上げるのではなく、すでに存在する既存の分野の枠組みで、難易度『EASY・NORMAL』があるにも関わらず、自分たちに難題を背負わせ、しんどいことに挑戦する、膨大なコストをかける覚悟がある。ということ。

 たぶん〝この辺りのアイディア〟からスタートしていくんじゃないかな。と思うわたし的な考察もあるので、明日はそれを書きたい。


 で、最後に蛇足ね。

 三木さんが、自分のやりたいことを「アルティメットハード・ルナティックカオス(適当)」な難易度であることを理解しているのに対して、カクヨムというサイトを作った中の人は「とりあえずジャンル分断して隔離しとけば方々から良作出てきて、そのうち上手くいくよね」と思っているところ(現在進行形)はヤバいと思う。さすがに危機感持った方が良い。この点は、三木さんのいう『従来の編集者不要論』に、わたしもやや同意。

(続く)
 

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