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読書感想:やがて恋するヴィヴィ・レイン


 こんばんは、秋雨です。
 とつぜんですが、わたしは、順位をつけるというのが苦手です。

 人の好みというのは千差万別。

 それでも一番「おもしろいライトノベル作者さん」は何か、誰か、と聞かれたら、犬村小六さんの名を挙げます。

 メインはガガガ文庫の作家さんで、とある飛空士シリーズが有名だと思います。ヴィヴィ・レインは同作家さんの新シリーズにあたります。

 オススメポイントを挙げるなら、卓越した文章力と描写力です。
 空戦という実に難しい戦闘描写を見事に描ききります。そして戦闘のみならず、そこに至るまでの過程、時代背景と設計は濃厚なリアリティを併せ持ちます。

 おだやかな日常、ありふれた会話。一転して、黒煙が燻り悲哀交わる戦場へ。物語に緩急をつけることで読者に飽きさせぬ緊張感をもたせ、時に劇画的な雰囲気を添えることで『戦場の英雄となった若者たち』がドラマティックに表現されるのです。

 無論、たくさん、人が死にます。

 自分の命とは、一体なんの為にあったのか。

 味方だけでなく、敵さえも。

 命を散らせる一挙手一投足までもが美しく、愛おしい。


 そ の 一 方 で 。


 犬村さんの作品には、ツンデレキャラ。それもテンプレートな代物があまりにも露骨に、ネタキャラとして登場させられることで有名です。

 前作では、ヘタレ王子イグナシオ(でも戦闘になると強い)がその役目を担い、たいへん笑わせて頂いたわけですが、今作では人造人間アステル・エアハート(0歳)ちゃんがその役目を担うことに。

 正直に言おう。ヤバい可愛さ。
 メインヒロインであろう姫さまもカワイイのだけど、はたして、魔王ルカ・バルカのお嫁さんになるのは誰なのか……! 目が離せません! 

 ああああああああああああああ! もうアステルさんカワイイよ! 大食いポンコツツンデレ娘可愛い可愛いよおおおおおお!!! けど小六さんのシリーズでコレ系の女の子がメインヒロインの座に到達したことがないんだよなぁ!? しかも犬村さんツンデレ系の男女を遊んでいじるの好きだものおおおお! すでに冴えカノのエリリンと同じ匂いがするし、登場時点で7年という寿命が設定されてるし、これダメだ最後はみんなの幸せを願って一人眠りにつくパターンじゃないか! ああああああああアステルちゃん! アステルちゃんはおしまいだうわあああぁぁん!!! 

 と床を見悶えて、泣く泣く本書を読み進めておりましたが、その時、わたしの脳裏にかすかな希望が…!


「まだ、まだだ…! わたしはまだあきらめない!
 何故ならば、本書のイラストレーターが、岩崎美奈子さんだからッ!」


 解説しましょう。

 本著のイラストレーターを務める岩崎美奈子さんは、かつて、あまりにもサブヒロインの女子を可愛く描き過ぎたがため、本来はサブヒロインであり、メインヒロインの親友ポジであったはずの女子を、なんとメインヒロインに昇格させてしまった実績を持つ、スーパーイラストレーターさんなのである(実話)!!


 ――そう。因果(プロット)は変わる。


(拳を握りしめ立ち上がり)

「――よし、勝てる……勝てるぞぉっ!!
 アステル党は! 我が軍は優勢であるッ!! 
 アステルちゃん死なない、やったー!」

 ツンデレキャラはただのネタキャラではないんだよっ! 普段はおもしろキャラだけど、おもしろキャラ故に、最期にちょっと読者のお涙頂戴をしてイってしまうというそんなテンプレート未来、変えてしまえ――! 

 あ、本作は王道のファンタジー戦記物です。
 ロボとか出ます。

 以上。

 わたしが、無秩序に感想を書くと、こうなります。

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