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咲坂さんは恋愛の神かもしれない。【アイディアまとめ】第一稿


〝アイツは持っている〟

 人生という名の勝負に成功したヒトは、そんな風に称賛される。

 その認識は正しい。

〝人生の幸運は、幸と不幸が半分ずつで成り立っている〟

 その認識も正しいが、やや欠けている。

〝幸運、あるいは運命を持つ者の中には
 湯水の如く、内より際限なく湧き出る者がいる〟 


 いつもヒトの手元に『光』を見た。

 まだ都会に住んでいた頃。ヘアスタイリストの父親と、女優の母親の一人娘として、私もまた子役をしていた頃の話だ。

 世界はキラキラと『光』輝いていた。

 『光』というのは便宜上の呼び方で、実際に光るわけではない。ただ直感的に感じる。その相手が今も『光』を持っているかどうかをだ。

 『光』はなんらかの行いによって、本人以外にも宿った。輝きの一部を譲渡して共有された。しかし私はまだ一度も、自分だけの『光』を見つめた事がない。そして同時に『光』を際限なく輝かせるような者を、あの場所でさえ見なかった。

 ――環境から遠く離れた、この場所に来るまでは。

「好きとか嫌いって感情が、正直なところ、よく分からないの」

 同い年の彼女は、今までに見たことがない程の『光』を持っていた。けれどそれに見合わせた分、ありふれた心が欠けていた。

ーー

タイトル案(仮):咲坂さんは恋愛の神かもしれない。

人物:

咲坂めぐる(メグ)/16歳/性別女

・【恋愛に関する幸運】を無尽蔵に持っている女の子。
・対象と手を繋ぐと、一時的にその運命力を上げることができる。
・ただし本人に「好き嫌い」の感情が乏しく、恋人はいない。
・父親から〝なんとなく〟と言うのをやめなさいと言われて以来、物事を論理的に判断して、周囲に合わせて生きている。割には「ぼーっとしてて、なに考えてるかよく分からない人」と思われている。
・一部では、恋愛成就の『握手会』を行う現代神として、女子から崇められている。
・頼まれると断れない人。
・とある高等部の『恋愛部』役職は【現代恋愛神】(仮)


綾音みちる(ミチル)/16歳/性別(未定)

・人が持つ【なんらかの幸運の残量値】を『光』として感知することができる能力を持つ。
・生来、自身に一切の『光』が存在しないことを自覚しており、表向きは明るく短絡的に振舞っているが、本心は自分に絶望していて、世の中に一切の期待を持っていない。
・めぐるの『握手会』を広めた超本人。

・とある高等部の『恋愛部』役職は部長(仮)


月島敦(アツシ)/16歳/性別(男)

・恐怖や痛みに希薄な青年。その場の最適解を出すのであれば、自分や他人を犠牲にすることを厭わない。自らをサイコパスの素質があると感じており、日頃から言動や立ち振る舞いに気をつけている。頭の切れる腹黒優等生。

・『恋愛部』役職は名義貸し幽霊部員(仮)


高木夏(ナツ)/16歳/性別(男)

・思考が単純な、普通の男子高校生。顔はまぁまぁ良くて割と頼れて手先も器用で成績も平均以上で実家も中流家庭で根は真面目で素直なんだけど、それ故に騙されやすくて貧乏クジを引きやすい系男子。

・『恋愛部』役職は雑用兼パシリ兼犬。

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