おはようございます、秋月です。
趣味はなんですかと聞かれたら「メモを取ることです」と答えます。
これは単なる癖ですが、わたしは何か気になることをメモしたら、直後に過去のメモを眺め、気になったことを反復して再確認する癖があります。今日も昔のメモを開いてみたら、改めて気になることがありました。
町の人A:
「――未来の人間は、ただ歩くことを趣味にしてるっていうのかい?」
エメット・ブラウン:
「そうだよ。ウォーキングというんだ。シティーの連中はみな、老若男女を問わず、毎朝早くから公園を歩くのさ」
町の人B:
「なんでまたそんな事を?」
エメット・ブラウン:
「健康のためさ」
町の人C:
「歩くのが健康のためだって? はっ! こいつは面白い冗談だぜ!」
エメット・ブラウン:
「冗談ではない。本当さ。私は未来から来たのだから」
町の人D:
「ダメだ、こいつイカれてるぜ」
昨日何気なくメモを見てたら、この一ページが妙にひっかかって、なんでかなーと思ってたら、あれでしたわ。
町の人A:
「――未来の人間は、紙の本にそこまでこだわるってのかい?」
エメット・ブラウン:
「そうだよ。新しいリーディング用の媒体が広まりはじめると、それまで意識さえしていなかった事を、急に大切にしはじめたんだ」
町の人B:
「でも電子書籍の方が便利なんだろ? コストも安いし、場所も取らない。便利なものができりゃ人間は変わる。どうして留まるんだい?」
エメット・ブラウン:
「価値観のためさ。紙の本に触れ、紙の本を読み、趣味は読書だと言う人間ほど、自分は〝紙の本が好きなのだ〟と思い込んでしまう。あるいは紙の本を読む自分自身を敬愛してしまう。それまでの自分を裏切りたくないが故に」
町の人C:
「本を読んでいる自分を愛してるってのか? はははっ! こいつは面白い冗談だぜ! とんだナルシストだな!」
エメット・ブラウン:
「冗談ではない。本当さ。私は未来から来たのだから」
町の人D:
「ダメだ、こいつイカれてるぜ」
――こういう風に、わたしはお話を作ってます。という話でもあります。