どうも、坂神です。
本日の近況ノートは、以前ちらっと予告した通り、先日本編が完結したばかりの拙作『フラリリ』について、ネタバレせずに済む範囲で色々と裏設定やら何やら、作中では語られなかった要素に関してザクザク書き連ねてみようかと思います。
しかも長文ゆえ、前後編に分けての公開になります。
……え、そんなもん第三者の需要あるのかって?
第三者のことを、私が知るわきゃないじゃないですか(真顔)。
だがこれだけは言える、自分が好きなものは自分自身が需要だ!
というわけで、以下は『フラリリ』に興味のある方だけどうぞー。
* * *
■ カレンダー ■
拙作を過去に複数読んでくださった方なら、すでにご存知かと思うのですが、私の書くラブコメには「作中の日付が現実のカレンダーと対応している」という手法がしばしば用いられています。
それで2015年のゴールデンウィークから初夏までが描かれた『売れないままの君でいて♪』、2015年秋からクリスマスまでが舞台だった『彼女の愛は惑星より重い』に引き続き、『フラリリ』でも同様の仕掛けが採用されている……
というのを、お気付きになられた方も居られるかもしれません。
『フラリリ』の物語に対応している日付は、2016年の夏のものです。
具体的には、7月4日(月曜日)の「プロローグ」シーンからはじまって、8月28日(日曜日)の「エピローグ」で終了しています。
その他の日付は、概ね作中に記述してあるはずですので、もし興味がお有りでしたら確認してみてください(そんな物好きな人は居ないと思いますが)。
■ 舞台設定 ■
『フラリリ』では、基本的に架空の都道府県及び地方都市を舞台にしています。
ただし、一応漠然としたイメージとしては関東圏で、「埼玉~千葉近辺にかけての周辺地域」を大まかに想定しています。
でも、神奈川っぽくも茨城っぽくもあるので、この辺りは読んでくださった方々が個々に想像しやすい雰囲気で思い浮かべて頂ければ幸いです。
〇笠霧市
関東某県にある地方都市で、本作の主要な舞台。
笠霧市自体は、周辺市町村の統廃合もあり、全体面積は割り合い大きい部類の地方都市で、人口およそ30万人の規模。東西南北と数個の地区から成っています。
〇翠ヶ丘
笠霧市南区に属する土地。
冴城と織枝の自宅がある場所であり、笠霧南高等学校や「翠梢館」もこの地域にあります。
冴城が住んでいる翠ヶ丘一条周辺は、JR翠ヶ丘駅に比較的近く、交通の利便性が高い土地。織枝が住んでいる美咲周辺は、いわゆる新興住宅街で、ちょっと洒落た家屋が多く建っています。
〇糸乃崎海岸
隣県に位置する海水浴場。
アニメ『ラブトゥインクル』第10話(水着回)で、舞台のモデル。
以後、アニメ聖地のひとつとして数えられるようになり、地元の地域振興協会が積極的に町おこしに取り入れてPRを展開したこともあって、ここ最近は急速に来訪するアニメファンが増加中。
JR笠霧駅からは、片道2時間も掛からない距離。
「笠霧-糸乃崎」間の路線は、「霧崎線」と呼ばれています。
〇笠霧コミュニティセンター
笠霧市西区にある公共施設。
笠霧西区役所や那塚陸上競技場がすぐ傍にあって、市内の屋内行事やイベントに頻繁に利用されています。
〇同人ショップ「子猫ブックス」
全国展開している同人ショップ。通称「ねこブ」。
東京都内の秋葉原本店や池袋店が特に有名ですが、大阪/名古屋/札幌/福岡などにも支店が存在します。
笠霧支店は、駅前の7階建て雑居ビル内の3~4階に店舗があり、男性向けから女性向け、健全本から成年向けの本まで、幅広く同人誌を扱っています。
同人サークルがここの店頭に同人誌を並べてもらう方法は、大きく分けて二つ。
ひとつは、都内の大規模即売会などに参加し、現地で良質そうな本を探している店の担当者からスカウトされること。
もうひとつは、秋葉原本店の事務所へ同人誌を見本として送付し、取扱いを打診すること(つまり作家が自ら売り込む)。
販売契約の形態には、委託方式と買切方式が存在しますが、基本的に大半は前者。いずれにしろ、店の売り場にも新刊を陳列しておける場所には限りがあるので、申し込めば誰のどんな本でも並べてもらえるわけではありません。
自然と同人ショップで取り扱われる同人誌は、中堅~大手以上のサークルの本か、ショップ担当者の審査をクリアしたクオリティの本に限られます。
〇複合型書店「翠梢館」
織枝静葉のバイト先で、翠ヶ丘中央にある個人経営書店(兼喫茶店)。
織枝の叔父が経営しています。
店名の由来は、翠ヶ丘にある洋館風の建物だというのと、「織枝」の「枝先→こずえ(梢)」という名前を引っ掛けて。
外観は、大小二棟の洋館めいた店舗が結合した、アンティーク風の建物。
大きい洋館側は、書籍を取り扱う本屋でありつつ、インテリア/雑貨/文房具/家具類を販売しています。一方、小さい洋館側は、ムード重視のカフェスペース。
流行り物の書籍の品揃えは、実は一部を除いてあまり良くありません。
「翠梢館」は、売り場面積などの都合で、駅前の大手チェーン書店と競合しても最初から勝ち目がないと割り切った経営方針に徹していて、本を物量ではなく、販売形態のコンセプトで売ることにしています。
メイン商材には、主にミステリ小説や海外翻訳小説を揃えていて、最近は特に北欧ミステリに注力している模様。
「午後に欧米のミステリを、アンティークな雑貨に囲まれてコーヒーを飲みながら楽しみませんか」というような提案を重視しており、ただ本を売るのではなく、「読書をすることに付随するライフスタイル」を販売しています。
〇笠霧南高等学校
地元ではボチボチ名前が知られている、男女共学の私立進学校です。
都内の一流大学を目指す優等生もそれなりに居るものの、基本的には「地元の国立大学(笠霧大学)への進学率が一番高い高校」として有名。
■ 笠霧南高校制服 ■
ベースデザインは、男女共にブレザー。
オリーブグリーンのジャケットと白地のブラウス&スカート、裾や袖口のアクセントにはダークグレーでラインが入っています。
特徴的なのは、ネクタイ(男子)とリボン(女子)の色。
学年ごとに色が異なっていて、それぞれ1年生「青」、2年生「黄色」、3年生「臙脂」と変化します。
……などと、気合を入れて設定を考えたまではいいものの、実は物語の半分以上の期間が夏休みに当たる(つまり冴城も織枝も私服のシーンの方が多い)ため、実はあまり役に立っていない設定のひとつ(白目)。
■ 笠霧南高校の漫画研究会とアニメ同好会 ■
いずれも女子部員ばかりで構成されている文化部。
漫画研究会は漫画冊子制作で、アニメ同好会はイラスト集などの制作で、部としての活動実績を残しています。
その活動内容ゆえ、絵を描ける人間が活動の中心に居て、男子生徒が入部し難い原因のひとつにもなっている模様。
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……と、ひとまず前編はここまで!