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短編賞創作フェス「スタート」用作品を書く

 タイトルの通り。……書いたよ。

https://kakuyomu.jp/works/16818023211735195844
(「果ての向こうへ」)

 もう締め切りぎりぎりなんで、ろくに推敲もせずに投稿しましたが、とにかくやりました。


「スタート」というお題は、あまりに平凡すぎて、他の人と被りまくる可能性が高い上に単発の短編向きじゃありません。「俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!」な展開になりがちですからね。

 しかもこれ、一応カクヨムコン投稿用の作品なわけで、コミカライズされることも想定して書かなきゃならないわけです。

 そんなこと考えて応募してないって? じゃあなんで応募するの?

 問題はそこ。この企画を考えた人って、絶対コンテストや短編を舐めてると思うんですよね。どうせweb作家なんてろくな作品を書かないんだから、適当な企画でいいだろと言わんばかり。
 そうじゃなきゃ、こんなお題を出したりしないし、平日3日で書けとか酷い締切を設けたりしないでしょう。


 ムカつくから、私は本気を出しました。アホみたいに真面目に考えて、この短い締切で、できるかぎりのことはしました。web短編作家を舐めんなよ、運営どもが! ちくしょう!

 その結果、デキとしてどうかと言われたらなんとも言えませんが、期限3日かつこのお題で1万字以内と言われたら、もう私にできるのはこれが限界です。


 私が最初、考えていたアイデアは、人間がほぼ滅亡して、AIだけが生き残っている世界で、古い人工太陽を停止するために、AIの1人が太陽の停止コードを知っている人間の生き残りに会いに行く、という話。

 これはこれで面白いと思いますが、こういう話は設定を詰める必要があり、3日でそれは無理でした。

 とはいえ、他にろくなアイデアが浮かばず、11日昼、24時間を切ったところで私はほぼ諦め、ゲーセンに行ってギタドラをやりました。
 しかし、ギタドラをやっている最中に、この作品のアイデアを思いついたのだから、世の中わからんものです。
 根詰めるだけでなく、ほどほどに息抜きも必要、ということなのかもしれません。

 そこからプロットを詰めるのに4時間ほど考えて、実際に書くのにかけた時間は9時間くらい。ということは、私はだいたい1時間で1000字くらい書くということなんでしょうね。

 締切が短い場合、書いてみたけどダメでした、ではもう間に合わなくなるので、書き始めたらあとは一発勝負になります。
 なので、アイデア出しとプロットの段階で、ちゃんと書き上げられることを確認してから実作業に入らなければなりません。そこがなかなか難しいところなんですよね。テストで書いてみたりしている暇がない。

 1万字で収めるのも、ノーテストで1発でやらにゃならんわけですが、すんごいぎりぎりですがなんとかなりました。書きながら少しエピソードを削りましたけどね。


 ともかく、なんとかスタート要素満載な作品を書きましたよ。先に書いたスタートの語義をほぼ盛り込んでおります。

 そして、何気に初めてネットで公開したファンタジー系の作品だったりします。私の他の作品を読んだ人は、こんなもん書くのかよと思ったかもしれません。


 とにかく私は全力を使い果たしました。
 こんなに頑張ったのに、カクヨムコンの性質上、一次選考も通過しないのがわかっているのは非常に馬鹿らしい気がしますが、まあ、もういいです。


[追記]
 スタート要素について補足。

 startと似た言葉にbeginがあるのですが、beginは起点を意味する言葉で、その反義語は終点、endになります。
 一方、startは動きを意味するので、反義語はstopです。

 つまり、スタートをテーマに作品を書く場合、終点が絡んでも問題ないわけですね。止まりさえしなければいい。
 そして、beginの反義語であるendを強調することで、startにあるbeginと被る要素を打ち消して、よりstartの動きを強調することができるわけです。

 要するに、「スタート」の「スタート」らしさを強調するために、「スタート」にある「始まり」という意味を弱めたいわけです。何かの始まりとか、そういう意味を薄めて、より動きを強調したい。
 そのために「終わり」を作品に絡めたい、ということ。


 最初に考えていた人工太陽を停止する話は、endのためのstart、つまり、人工的に作られた恒星系の終わりへと向かうための動的要素をテーマに書こうとしていました。

 一方、「果ての向こうへ」は、endをぶっちぎってstartする、という発想になっています。

 一見すると誰でも思いつきそうなアイデアですが、具体的にendをぶっちぎるって何よ? となると、意外とよくわからないんですよね。

 物語の終わりは、もうひとつの物語の始まりだ、という考え方はありますが、それは当然すぎるし、その発想はどちらかというとbeginとendの関係性が強く、startの動きが活きてきません。

 startがより活きるためのendって何だろう? というのが、今回のアイデア出しで、私が特に行き詰まっていた箇所だったわけです。

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