• 現代ドラマ
  • エッセイ・ノンフィクション

同題異話SR 2月分を投稿

 同題異話SRの2月分を投稿。

 今回のお題は「きみの嘘、僕の恋心」。お題自体は、普段から恋愛ものを書いている人なら楽だったと思われる。
 ただ、小説において「ウソ」とか「恋心」というのは、タイトルに含まれていなくてもよく描かれる題材で、あえてタイトルに含めて作品を書くのは厄介なように私は感じた。
 たとえば、推理小説のタイトルに「ウソ」という言葉を入れるのって、すごく抵抗を感じないだろうか。

「嘘」という漢字には本来「ウソ」の意味はなく、息を吐くという意味だったりする。中国語では「火であぶる、あたためる」といった意味もあり、それで「嘘寒問暖」という言葉があるわけである。ウソという意味で使われるようになったのは、おそらく日本人が字面を見て思いついたのだろう。
 なので、あえて「嘘」を「ウソ」と解釈しない方向で作品を作る、という逃げの手も考えていたが、うまくいかなかった。

 さんざん悩んだ末に私が思いついたのは、「きみの嘘、僕の恋心」というタイトルから想像される通りのド直球のストーリーをまず考え、そのストーリーを狂言回し役の第三者から傍観する、という構成だった。
 ただ、この手法は「記憶を踏みつけて愛に近づく」の時にも使っており、ネタが被っていて気乗りしなかった。他にもっといいアイデアはないかと模索してみたが、湧いてくるのは使い物にならないものばかりで、気がつくと2月も中旬を過ぎていた。

 仕方なく、ネタ被りの話を書くことにしたのだが、書いてみると、思ったよりも狂言回し役の学者の女性が自己主張し始めた。おかげで、私が想定したものとは全然違う方向に話が進んだ。
 もとのプロットでは、学者が青年を救助する展開はなかったし(つまり、あの作品の9割近くが元のプロットにない)、青年は後日、死体となって草原で発見されて、その下でスミレが潰れていた、というラストシーンを考えていた。現状の形の方がずっといい。

 さて。とうとう2月も下旬になろうというのに、4月~8月までの遅刻分が全然あがっていない。「夏思いが咲く」だけは何も思い浮かんでいないが、他はだいたいプロットの大枠は考えてあるから、調子が出てくれば一気に仕上げられるかもしれない。
 できれば3月末までに全て完成させたいところだが、どうだろう。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する